大后(読み)コンオルク

精選版 日本国語大辞典 「大后」の意味・読み・例文・類語

コンオルク【大后】

書紀(720)雄略二〇年冬(前田本訓)「王(こきし)及び大后(コオルク)(〈別訓〉斤於流久)王子(せしむ)等、皆敵の手に没(し)ぬといふ」

コニオルク【大后】

〘名〙 (古代朝鮮語で、「コニ」は大の意、「オルク(またはオリク)」は夫人の意か) 大后。正夫人。コンオルク。
釈日本紀(1274‐1301)一七「大后(コニヲルク)(〈別訓〉こむをるく、こをるく)」

おお‐きさい おほ‥【大后】

〘名〙 「おおきさき(大后)」の変化した語。
源氏(1001‐14頃)若菜上「御まじらひの程も心ぼそげにて、おほきさいの内侍督を参らせたてまつり給ひて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「大后」の意味・読み・例文・類語

おお‐きさき〔おほ‐〕【大后/后】

(大后)皇后。おおきさい。
「―とせむ美人をとめをまぎたまふ時」〈・中〉
太后皇太后。おおきさい。
天皇すめらみこと―共に大納言藤原家にいでます日に」〈・四二六八・詞書〉

おお‐きさい〔おほ‐〕【大后】

おおきさき」の音変化。
「―の、尚侍ないしのかみを参らせ奉り給ひて」〈・若菜上〉

コニオルク【大后】

《古代朝鮮語》大后。正夫人。
こきし及び―王子せしむ等」〈雄略紀〉

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世界大百科事典(旧版)内の大后の言及

【皇后】より


【日本】
 天皇の嫡妻。上古には天皇の妻室である后妃をキサキといい,その最上位者を〈大后〉すなわちオオキサキと称したが,中国の制に倣ってからこれを皇后と称した。《令義解》は皇后に〈天皇之嫡妻〉と注しているが,のちには天皇と配偶関係のない皇后が置かれたこともある。…

※「大后」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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