大和高原(読み)やまとこうげん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大和高原」の意味・わかりやすい解説

大和高原
やまとこうげん

奈良、京都、三重、滋賀の府県境に広がる笠置山地(かさぎさんち)南部高原狭義の笠置山地に相当。南から北に向かって緩やかに傾斜する標高400~500メートルの地塊。地質時代準平原が隆起する一方で、四周が断層によって沈降し、東は伊賀(いが)盆地、西は奈良盆地、北は木津(きづ)川、南は大和川・宇陀(うだ)川の谷で境される。高原上は小盆地が発達し、水田耕作が行われるが、高原の冷涼気候のため裏作はできない。林業や茶栽培、野菜の抑制栽培も盛ん。

[菊地一郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大和高原」の意味・わかりやすい解説

大和高原
やまとこうげん

奈良県,奈良盆地の北東に続く高原。狭義の笠置山地。標高 200~500m。花崗岩から成る隆起準平原で,西は春日断層崖で奈良盆地に接し,南は初瀬川宇陀川の谷で宇陀山地に限られ,東は上野名張盆地に続き,北は木津川構造谷にのぞむ。米作,林業のほか茶や野菜の抑制栽培が行われる。名阪国道が横断している。

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世界大百科事典(旧版)内の大和高原の言及

【笠置山地】より

…大和高原ともいう。奈良県の北東部と京都府,三重県が隣接する付近を南北にのびる山地。…

【天理[市]】より

…西部を南北に走る国道24号線沿いには機械,織物関係の工場が見られる。盆地部ではトマト,キュウリなどの野菜類の栽培が,また,東部の大和高原では茶の栽培が行われている。【橋本 征治】。…

※「大和高原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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