大塔山(読み)おおとうざん

日本歴史地名大系 「大塔山」の解説

大塔山
おおとうざん

西牟婁郡・東牟婁郡にまたがり、日置ひき川水系・古座こざ川水系・大塔川水系などの分水嶺をなす。熊野山地の主峰標高一一二二メートル。山頂は二峰に分れ、北を一の森いちのもり、南を二の森という。この両峰の間が大きくたわんでいることから、「おおたわ」が転じ山名となったという。西に法師ほうし(一一二〇メートル)、その南に入道にゆうどう(一〇一〇メートル)、北に野竹法師のだけほうし(九七一メートル)がそびえる。北の野竹法師に至る尾根のほぼ中間に牛鬼うしおに(七六一メートル)があり、その下を県道下川上牟婁線が東牟婁郡本宮ほんぐう川湯かわゆ温泉へ通じている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大塔山」の意味・わかりやすい解説

大塔山
おおとうざん

和歌山県南部、田辺(たなべ)市と古座川(こざがわ)町にまたがる山。標高1122メートル。2峰からなり、その間が「大きな撓(たわ)」をなすため大塔の名が出た。地質は第三紀牟婁(むろ)層群。紀伊半島南部の中核をなす山塊で、6平方キロメートル余にわたり、日置(ひき)川、古座川、熊野川支流が放射状に流れ出る。幽霊山などといわれた深山で、頂上付近にはブナクルミアカガシ原生林が広がり、カモシカ生息する。大塔日置川県立自然公園に指定されている。

[小池洋一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大塔山」の意味・わかりやすい解説

大塔山
おおとうざん

和歌山県南部,田辺市古座川町の境にある山。紀伊半島南部の主峰。標高 1122m。古第三紀牟婁層群の地質からなる山塊で,日置川古座川および熊野川支流の水源をなす多雨地域。ブナ,アカガシの原生林があり,国の特別天然記念物のカモシカが生息。大塔日置川県立自然公園に属する。

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