大宝律令木簡群(読み)たいほうりつりょうもっかんぐん

知恵蔵 「大宝律令木簡群」の解説

大宝律令木簡群

奈良県橿原市の藤原京跡から2001年6月、約1200点の木簡出土。記録がほとんど失われていた日本初の本格的法典「大宝律令」(701年)の内容や、制定当時の状況も復元できそうな資料と分かった。「大宝元年」という年号や天皇側近の「中務(なかつかさ)省」、「宮内省」「内蔵寮(くらりょう)」などの官庁名が交じった文書、地方から集めた労働者の逃亡報告、和歌などもある。さらに天智天皇の皇女長屋王の母の御名部(みなべ)内親王、実力者・藤原不比等の妻の県犬養(あがたのいぬかいの)道代(三千代)の名前なども判読でき、今後の解読・分析で、古代史研究の重要資料になりそうだとされる。

(天野幸弘 朝日新聞記者 / 今井邦彦 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android