大崩山(読み)オオクエヤマ

デジタル大辞泉 「大崩山」の意味・読み・例文・類語

おおくえ‐やま〔おほくえ‐〕【大崩山】

宮崎県北部にある山。標高1644メートル。祖母傾そぼかたむき国定公園に属し、花崗岩かこうがんからなる岩峰や渓谷が多くみられる。

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日本歴史地名大系 「大崩山」の解説

大崩山
おおくえやま

北方きたかた町と北川町の境界に位置する山。標高一六四三・三メートル、全山花崗岩からなり、岩峰・断崖絶壁・渓谷・滝などの美しい景観で知られる。山体を構成している花崗岩は大崩山花崗岩体とよばれ、約一四〇〇万年前の中新世に形成され、四万十累層群を貫いて地表に現れたものである。岩体は大崩山から南の鬼の目おにのめ(一四九一メートル)国見くにみ(一三九一・五メートル)、西の鹿川ししがわ渓谷、東の祝子ほうり川渓谷などを含み、東西約一五キロ・南北約一三キロの規模を有する。この貫入の際に生じた周辺の割れ目には花崗斑岩の岩脈が形成され、大崩山を取巻くように比叡ひえい(九一八メートル)行縢むかばき(八二九・九メートル)可愛えの岳などの山々が連なっている。

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改訂新版 世界大百科事典 「大崩山」の意味・わかりやすい解説

大崩山 (おおくえやま)

宮崎県北部の祝子(ほうり)川と五ヶ瀬川支流綱ノ瀬川の間に位置する山。標高1644m。地質は八合目あたりまでは第三紀に貫入した花コウ岩であり,それより上には中生代の四万十(しまんと)層群,古第三紀層,祖母山火山岩がみられる。花コウ岩の部分は急こう配であるが,山頂部はゆるやかな地形となっている。山頂からは祖母や九重山地阿蘇山が遠望され,祝子川の谷には花コウ岩からなる美しい渓谷がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大崩山」の意味・わかりやすい解説

大崩山
おおくえやま

宮崎県北部、延岡市(のべおかし)にある山。標高1644メートル。祖母傾国定公園(そぼかたむきこくていこうえん)に属す。第三紀中新世の花崗(かこう)岩貫入によって形成され、周囲の鬼ノ目山、鹿納(かのう)山、日隠(ひがくれ)山、五葉岳なども同一岩体に含まれる。激しい侵食にさらされ、多くの岩峰や岩壁がそびえたち、最大のものは400メートルを超す。モミツガブナなどの原生林や祝子(ほうり)川の源流部にあたる三里河原(さんりがわら)の渓谷が美しい。JR延岡駅から上祝子までバスが通じ、以後徒歩による。

[横山淳一]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大崩山」の意味・わかりやすい解説

大崩山
おおくえやま

宮崎県北部,五ヶ瀬川支流の祝子川 (ほうりがわ) 上流域,延岡市の北西部にある山。標高 1644m。頂上部の水成岩と花崗岩の境が崩壊,絶壁をなしている。東腹の上祝子から約5時間の登山コースがある。祖母傾国定公園に属する。

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世界大百科事典(旧版)内の大崩山の言及

【行縢山】より

…山頂部は東西二つの岩峰に分かれ,東の雄岳(799m),西の雌岳(831m)が遠くから眺めると,行縢に似ているのでこの名がある。北方の大崩(おおくえ)山(1643m)が新第三紀中新世(2600万年前)に噴出したとき,その南側のひび割れに花コウ斑岩が噴出して険しい山が円弧状に並んだが,その主峰がこの山である。頂上近くに行縢ノ滝(高さ100m,幅20m)がかかり,山麓には8世紀前半創建という行縢神社がある。…

※「大崩山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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