大悲(読み)ダイヒ

デジタル大辞泉 「大悲」の意味・読み・例文・類語

だい‐ひ【大悲】

仏語衆生しゅじょうの苦しみを救う仏・菩薩ぼさつの大きな慈悲。「大慈大悲
大悲菩薩」「大悲観音」の略。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「大悲」の意味・読み・例文・類語

だい‐ひ【大悲】

〘名〙 仏語。
① (mahā-karuṇā の訳) 仏の十八不共(ふぐ)法の一つ。衆生の苦しみを救う仏の広大な慈悲。また、菩薩にもいう。
法華義疏(7C前)二「我為衆生之父応抜其苦難者。欲大悲上レ苦也」 〔北本涅槃経‐一一〕
観音を大悲菩薩、または大悲観音などという、その略。
本朝文粋(1060頃)一四・朱雀院周忌御願文〈大江朝綱〉「唯願大悲、照此御願
※栄花(1028‐92頃)鳥の舞「大悲をはじめとして、大梵深遠(だいぼんしんをん)に至るまで続きゐさせ給へり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大悲の言及

【愛】より

…原義は〈うめき〉であるとも言われ,〈(他者の苦痛をわがこととして)苦しむこと・嘆き悲しむこと〉から,〈同情・あわれみ〉を意味するようになった。仏陀の〈悲〉はとくに,〈マハー・カルナーmahā‐karuṇā(大悲・大慈悲)〉と呼ばれ,〈自分が,だれかに,どれだけのことをしてやる〉という,3条件を意識しない,〈無縁の大悲(無条件の大きな愛)〉だとされている。なお,〈慈悲〉の原語は,上記の2語のどちらか一つ,双方,別の語と,一定していない。…

※「大悲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android