大斤(読み)タイキン

デジタル大辞泉 「大斤」の意味・読み・例文・類語

たい‐きん【大斤】

律令制における重さの単位。16両を1斤とし、3斤を大1斤とする。稲束などの計量に用いた。⇔小斤

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精選版 日本国語大辞典 「大斤」の意味・読み・例文・類語

たい‐きん【大斤】

〘名〙
令制で、重さの単位。小斤の三倍の重量。→斤(きん)①・大両(だいりょう)
※続日本紀‐天平一一年(739)四月乙亥「改駄馬一疋所負之重大二百斤百五十斤限」
② 古く伊勢神宮で行なわれた稲の束、把の算定法。半斤は一把を一束とし、大半斤は五把を一束とするから、大斤は十把を一束とするか。
皇太神宮儀式帳(804)「県税稲一千四百卅七束。半斤細税二百廿束〈以一把一束〉。大半斤百八十束〈以五把一束〉。大斤千卅七束」

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世界大百科事典(旧版)内の大斤の言及

【蔵人所斤】より

…鎌倉時代に用いられた重さを計る単位の一つ。律令制では唐制にならい,キビ100粒の重さを1銖と規定し,24銖を1両,16両を1斤(小斤)とし,さらに3両を大両1両とする大斤を定め,金,銀,穀などを計る場合に大斤を用い,他は小斤を用いることとした。この衡制は時代が経過するとともにみだれ,地域により,あるいは領主により,基準の異なるはかりを用いるようになった。…

【はかり(秤)】より

…もっとも《拾芥抄(しゆうがいしよう)》によれば稲1束の重さは大10斤とあり,これと上記の〈斤〉との関係は現在のところ不明である。また《皇大神宮儀式帳》に〈半斤〉〈大半斤〉〈大斤〉という単位がみえるが,これは稲1把,5把,10把をそれぞれ1束と呼ぶ際のそれぞれの重さを示す単位で,この中の〈大斤〉が令規定の大1斤に相当するとみられる。なお《日本霊異記》には〈はかり〉〈おもり〉の意味で〈斤〉が用いられている個所がある。…

※「大斤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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