大明一統志(読み)ダイミンイットウシ(英語表記)Dà Míng yì tǒng zhì

デジタル大辞泉 「大明一統志」の意味・読み・例文・類語

だいみんいっとうし【大明一統志】

中国代の地理書。全90巻。英宗勅命によって李賢らが撰。1461年成立。明の版図京師南京・中都・興都の4門に分けてその地理などを詳細に記したもの。明一統志

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精選版 日本国語大辞典 「大明一統志」の意味・読み・例文・類語

だいみんいっとうし【大明一統志】

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改訂新版 世界大百科事典 「大明一統志」の意味・わかりやすい解説

大明一統志 (だいみんいっとうし)
Dà Míng yì tǒng zhì

中国,明代の全国地誌。90巻。吏部尚書・翰林学士李賢の奉勅撰。本書に先行して,景泰帝が陳循等につくらせた《寰宇(かんう)通志》119巻(1456年(景泰7)刊)があり,その後1458年(天順2)に天順帝は李賢に命じてこれを重修させ,61年に成ったので《大明一統志》の名を賜った。その書名体裁など《元一統志》に倣っている。巻頭序文に次いで図が配置され,本文は京師,南京,中都より十三布政司,そして朝貢国の順でその地誌が記述されるが,その記事は往々誤りをふくみ,必ずしも正確とはいえない。しかし,明代中ごろまでの地方の状況を知る資料が少ないため,重要な地理的資料とされている。前述の天順刊本がもっとも良いテキストとされ,このほか弘治18年(1505)刊本,嘉靖38年(1559)刊本などがあり,さらに明末・清初に万寿堂刊本が流布した。なお天順刊本が朝鮮で,弘治刊本が日本で翻刻されたものもある。
一統志
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大明一統志」の意味・わかりやすい解説

大明一統志
だいみんいっとうし

中国、明(みん)代に国家事業として編集された地理書。90巻。全領土の地理を行政区画別に記述し、終わりに外夷(がいい)として周辺のアジア各地のことを付説している。1461年李賢(りけん)らの手で完成したが、実は1456年につくられた『寰宇通志(かんうつうし)』がもとになっている。政府の出した初版本のほか、のちに何種かの民間本も出ており、明末のものには地方制度などについて任意に増訂した部分がある。朝鮮や日本ではこの種の民間増訂本を複刻している。江戸時代の学者の中国地理に関する知識は、ほとんど本書に拠(よ)っているといってよい。

日比野丈夫

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大明一統志」の意味・わかりやすい解説

大明一統志
だいみんいっとうし
Da-Ming-yi-tong-zhi; Ta-Ming-i-t`ung-chih

中国,明朝全域と朝貢国について記述した地理書。 90巻。李賢らの奉勅撰。明代の地理書には景泰7 (1456) 年に陳循らが編纂した『寰宇 (かんう) 通志』があったが,天順帝は李賢らに命じて重編させ,天順5 (61) 年本書が完成された。その記事は必ずしも正確でなく,誤りも多い。刊本は天順5年の経廠大字本が最良。

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