朝日日本歴史人物事典 「大東義徹」の解説
大東義徹
生年:天保13.7(1842)
明治期の政党政治家。彦根藩士小西貞徹の子に生まれる。のち,姓を大東と改名。井伊直弼がいた彦根藩であったが,幕末には国事に奔走,同藩を勤王側に導き,戊辰戦争(1868~69)では官軍につく。維新後,岩倉遣外使節団として欧米諸国を巡遊,しかし征韓論争では西郷隆盛を支持して下野,彦根で集議社を結成し民権運動を開始する。西南戦争(1877)では西郷と結び下獄した。明治23(1890)年第1回総選挙に出馬当選,議会では対外硬派として活動し,のち憲政党入党,31年には第1次大隈内閣で司法大臣となる。「近江の西郷」といわれ,威容凜々として動乱期の彦根をリードした。
(季武嘉也)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報