大神宮寺(読み)だいじんぐうじ

改訂新版 世界大百科事典 「大神宮寺」の意味・わかりやすい解説

大神宮寺 (だいじんぐうじ)

伊勢神宮に付随する仏教的施設の一つ。このほか鎌倉時代の法楽舎(法楽寺)があるが,古代には一時期大神宮寺があった。《続日本紀》文武2年(698)12月,多気大神宮寺を度会(わたらい)郡に遷すとある記事は,古写本に〈寺〉の字がないのがあって,大神宮寺の確かな徴証になりにくいが,同書の天平神護2年(766)7月の記事に,朝廷は使を遣わし,伊勢大神宮寺のために丈六仏像を造立せしめたとある。また,《太神宮諸雑事記》には,神護景雲1年(767)逢鹿瀬寺(おうかせでら)を大神宮寺となす旨の宣旨が下り宝亀7年(776)には寺僧らの濫妨により廃止されたとある。三重県多気郡多気町相鹿瀬にある古瓦出土の寺院址が逢鹿瀬寺のあった地とされる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android