大税(読み)おおちから

精選版 日本国語大辞典 「大税」の意味・読み・例文・類語

おお‐ちから おほ‥【大税】

〘名〙
令制による官稲の一つ。田地にかけられた税のうち官倉に納めて国の用に当てたもの。主として地方政治の財源に当て、一部は中央に収める雑物交易料にあてられた。広くは田租(でんそ)総称であるが、狭義には、公解(くがい)雑稲と区別し、公出挙(くすいこ)稲だけをさす。正税(しょうぜい)
平安時代伊勢神宮で行なわれた束把の計算法。一把を一束とする小税(おちから)に対して五把を一束とする。〔延喜式(927)〕

たい‐ぜい【大税】

〘名〙 令制で、徴集されて国倉に納められた租。諸国にとどめおいてその経費とする。おおちから。正税(しょうぜい)
続日本紀‐大宝元年(701)六月己酉「又国宰郡司貯置大税、必須法」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「大税」の意味・読み・例文・類語

おお‐ちから〔おほ‐〕【大税】

正税しょうぜい」に同じ。

たい‐ぜい【大税】

正税しょうぜい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「大税」の意味・わかりやすい解説

大税 (たいぜい)

正税(しょうぜい)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大税」の意味・わかりやすい解説

大税
だいぜい

正税」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大税の言及

【官稲】より

…当時の国家財政上,重要な意味をもった。賦役令土毛条義解には官稲を分かって大税,籾穀,郡稲の3種としている。大税(正税(しようぜい))は,その一部を舂米(しようまい)として京に進納するほか,出挙して利息を得,それを国衙の臨時費に充当した。…

【正税】より

…律令制下において諸国の正倉に収納されていた稲穀をさし,大税(たいぜい)ともいう。主として毎年の田租収入と正(大)税出挙(すいこ)の利息によって成り立っている。…

※「大税」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android