大脳化現象(読み)だいのうかげんしょう(英語表記)cerebralization

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大脳化現象」の意味・わかりやすい解説

大脳化現象
だいのうかげんしょう
cerebralization

中枢神経のうち大脳が絶対的,相対的に大きくなっていく現象をいい,特に人類進化においてはその傾向が著しい。脊椎動物のうち,魚類では大脳はごく小さく,その外面旧皮質のみにすぎないが,両生類ではこれに古皮質が加わり,爬虫類ではさらに新皮質が加わる。哺乳類ではこの新皮質が大きくなり,内部の大脳核も漸次発達する。ヒトでは大脳半球が人類進化の諸段階を経て脳の大部分を占めるようになる。大脳の発達は精神活動の発達ときわめて密接に関係しており,最も人類的な特徴といえる。大脳化現象に伴い,頭部外形も著しく変り,現生人類の前頭部は著しく秀でる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android