大豆油(読み)だいずゆ(英語表記)soybean oil

精選版 日本国語大辞典 「大豆油」の意味・読み・例文・類語

だいず‐ゆ ダイヅ‥【大豆油】

〘名〙 大豆からとれる油。圧搾法溶剤抽出法でとり出す。半乾性油または乾性油で、食用ほか硬化油ボイル油に用いられる。だいずあぶら。

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デジタル大辞泉 「大豆油」の意味・読み・例文・類語

だいず‐ゆ〔ダイヅ‐〕【大豆油】

大豆からとった油。半乾性か乾性で、食用にするほか硬化油ボイル油に用いる。だいずあぶら。

だいず‐あぶら〔ダイヅ‐〕【大豆油】

だいずゆ(大豆油)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大豆油」の意味・わかりやすい解説

大豆油
だいずゆ
soybean oil

ダイズの種子から溶剤抽出法によって得る半乾性油(あるいは乾性油)。種子の含油量は13~26%。ヨウ素価はたいてい125~135であるが、産地および採油時期により多少変動する。大豆油は世界でもっとも生産量が多い、主要な食用植物油である。世界における油糧種子生産の過半がダイズであり、その大部分をアメリカ、ついでブラジル、中国で産出する。アメリカではマーガリンに用いられる原料油脂の過半、ショートニングに用いられるものの半分近くを占める。これらの場合、水素添加大豆油が併用される。また乾性油工業にかなりの量の大豆油が用いられる。日本では食用油、マーガリン原料油脂、塗料に用いている。世界的にみて家庭用マーガリンの原料油脂は、コレステリンの多い動物油脂にかわり、コレステリンを含有しない植物油が多用される。

 主要成分脂肪酸は、リノール酸で50%ぐらいである。ついでオレイン酸で25~30%程度。リノレン酸を2~10%、パルミチン酸を2~10%、ステアリン酸を2~5%含んでいる。新鮮なリノール酸などを多く含む油脂は、血漿(けっしょう)中のコレステリン量を減らし、アテローム性動脈硬化症の予防、治癒に用いうるから、その摂取は健康によい。しかし、多不飽和脂肪酸を多く含む油脂は自動酸化されやすく、その結果生成するヒドロペルオキシド過酸化脂質)は毒性を有する。過酸化脂質の摂取は、老化およびアテローム性動脈硬化症、癌(がん)など生活習慣病(成人病)の発生原因になりうるという学説があるから、大豆油もできるだけ空気、光、熱を避けて貯蔵し、自動酸化を抑制すべきである。また採油後の大豆かすは、動物飼料、肥料に使用される。

[福住一雄]

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化学辞典 第2版 「大豆油」の解説

大豆油
ダイズユ
soybean oil

大豆Glycine max Merrillの種子から溶剤抽出法または圧搾法で得られる.淡黄色の半乾性油.成分はリノール酸オレイン酸,飽和脂肪酸,リノレン酸などのグリセリドで,このほかにリン脂質も含まれる.-10~-16 ℃ で固化する.0.922~0.927.1.471~1.475.酸価0.3~3.0,けん化価189~195,ヨウ素価120~140.用途はサラダ油,天ぷら油など食用油が主であるが,マーガリンの原料にも用いられる.種々の精製がほどこされ,硬化油,焼入れ油,ボイル油などにも用いられる.

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百科事典マイペディア 「大豆油」の意味・わかりやすい解説

大豆油【だいずゆ】

ダイズの種子から得られる半乾性油。主として抽出法で採油。粗製油は黄褐色でやや不快臭をもつが,精製油は淡黄色無臭で風味がある。主成分はオレイン酸リノール酸リノレン酸,飽和脂肪酸など。てんぷら油,サラダ油,マーガリン原料とするほか,塗料,セッケンなどの製造原料に利用。
→関連項目ダイズ(大豆)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大豆油」の意味・わかりやすい解説

大豆油
だいずゆ
soybean oil

ダイズから抽出して得た油。オレイン酸,リノール酸,リノレン酸などから成り,食用,工業用原料にする。ダイズの含油分は約 20%と,植物種子の含油量としては少いほうに属するので,ヘキサンなどの溶剤を使って抽出し,加熱蒸留する方法によって粗製大豆油とし,これを精製する。食用には精製大豆油 (白絞〈しらしめ〉油) ,サラダ油などのほか,マーガリン,ショートニングなど,工業用原料としては石鹸,塗料,インキ,合成樹脂などに使われる。

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