大阪・大坂(読み)おおさか

精選版 日本国語大辞典 「大阪・大坂」の意味・読み・例文・類語

おおさか おほさか【大阪・大坂】

[一] 大和から河内に抜ける坂。
※古事記(712)中「御杖を以ちて大坂の道中の大石を打ちたまへば、其の石走り避(さ)りき」
[二] 「おおさかふ(大阪府)」の略。
[三] (古くは「おおざか」) 大阪府の中央部、大阪湾に面する地名。府庁所在地。古くは難波(=浪速(なにわ))、中世には小坂(おざか)、のち大坂となる。古来難波津、淀川から京へ通じる水上交通の要地として栄えた。室町時代は石山本願寺門前町豊臣秀吉の大坂城築城後は運河河川の改修を行ない発展。江戸時代は幕府の直轄地。全国の物産、諸大名の蔵屋敷も集中して天下の台所といわれた。近代以降も、商業都市として、東日本の東京と日本の商業圏を二分し、西日本の中心となる。阪神工業地帯の中核であり、大阪港は輸出入港・瀬戸内海航路の起点。「さか」については、明治初期に「阪」の字を用いることに統一された。明治二二年(一八八九市制
[語誌]「小坂(おざか)」が「大坂(おおざか)」になったことについて、「碩鼠漫筆」には蓮如上人が明応五年(一四九六)に本願寺を建立した際、「小坂の号を祝ひ更め、始めて大坂と呼びしにはあらじか」とあり、「筱舎漫筆」には秀吉が築城した時、「小坂にてはふにあひなればとて、大坂とあらためたまひしものなるべし」といったとある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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