大鳥逸平(読み)おおとり・いっぺい

朝日日本歴史人物事典 「大鳥逸平」の解説

大鳥逸平

没年:慶長17(1612)
生年天正16?(1588)
江戸前期のかぶき者。江戸城普請の人足元締として大久保長安に仕え,長安失脚によって浪人し,あぶれ者の首領になる。慶長年間(1596~1615)に大名旗本の中間小者を中心に徒党を組み,武家に対抗,町奴の先駆者となる。大鳥グループはのちの六方組(鉄砲組,笊籠組,吉屋組,鶺鴒組,大小神祇組,唐犬組)の行動スタイルを決定する。異装異風で横行し,厳物づくりの太刀に「二十五まで生きすぎたりしや逸平」と銘を入れて,肩で風を切る。一味主殺しを機に幕府が徒党の一掃にのりだし,斬首300人。逸平も刀の銘どおり25歳で磔柱にのぼった。<参考文献>松田修『刺青・性・死』

(平岡正明)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大鳥逸平」の解説

大鳥逸平 おおとり-いっぺい

1588?-1612 江戸時代前期のかぶき者の首領。
天正(てんしょう)16年生まれ。幕府の代官頭大久保長安につかえる。のち江戸に出,浪人して異装異風で徒党をくみ,武家に対抗した。一味の主殺しを機にいっせい検挙され,慶長17年7月磔(はりつけ)の刑に処せられた。25歳? 通称は別に勘解由。姓は大鳥居(井)とも。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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