天の戸(読み)あまのと

精選版 日本国語大辞典 「天の戸」の意味・読み・例文・類語

あまの【天の】 戸(と)

万葉(8C後)二〇・四四六五「ひさかたの 安麻能刀(アマノト)ひらき 高千穂(たかちほ)の 岳(たけ)に天降(あも)りし」
② (大空を海にたとえていった語で、「戸」は水流の出入りする所の意) 大空。天。
古今(905‐914)秋上・二一二「秋風に声をほにあげてくる舟はあまのとわたるかりにぞありける〈藤原菅根〉」
③ (銀河を川にたとえていった語で、「戸」は両側の狭くなっている川門(かわと)の意) 七夕牽牛織女の二星が渡る、天の川の川門。
※後撰(951‐953頃)秋上・二三八「織女(たなばた)のあまのと渡る今夜(こよひ)さへをち方人のつれなかるらん〈よみ人しらず〉」
④ (夜が明けることにたとえていった語で、「の」「を」を伴って「明く」の枕詞的に用いられることが多い) 夜と昼との間にある戸。夜。空。
古今六帖(976‐987頃)二「あまのとのさもあけがたくみえしかなこや夏の夜の短かりける」

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デジタル大辞泉 「天の戸」の意味・読み・例文・類語

あま‐の‐と【天の戸/天の門】

天の岩戸」に同じ。
「ひさかたの―開き高千穂の岳に天降あもりし」〈・四四六五〉
日月の渡る空の道。大空。
「秋風に声をほにあげて来る舟は―渡るかりにぞありける」〈古今・秋上〉
天の川の川門かわと
「たなばたの―渡る今宵さへ遠方をちかた人のつれなかるらむ」〈後撰・秋上〉

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「天の戸」の解説

あまのと【天の戸】

秋田日本酒。酒名は、「天の戸は静かに明けて神路山杉の青葉日影さすみゆ」という古歌から命名。大吟醸酒、純米吟醸酒純米酒本醸造酒、普通酒がある。全国新酒鑑評会などで受賞実績多数。原料米は美山錦、吟の精、秋田酒こまちなど。仕込み水は軟水平鹿町の湧水。蔵元の「浅舞酒造」は大正6年(1917)創業。所在地は横手市平鹿町浅舞字浅舞。

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デジタル大辞泉プラス 「天の戸」の解説

天(あま)の戸

秋田県、浅舞酒造株式会社の製造する日本酒。純米大吟醸酒「白雲悠々」、純米吟醸酒「五風十雨」、純米酒「美稲(うましね)」などがある。全国新酒鑑評会で金賞の受賞歴がある。

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