天地会(読み)てんちかい(英語表記)Tiān dì huì

精選版 日本国語大辞典 「天地会」の意味・読み・例文・類語

てんち‐かい ‥クヮイ【天地会】

中国清初以来の秘密結社。明の滅亡後、反清復明をスローガンとして、華南一帯に勢力を持ったが、辛亥革命後、国内では衰え、東南アジア華僑の間に伝わった。哥老会はその分派といわれる。三合会

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デジタル大辞泉 「天地会」の意味・読み・例文・類語

てんち‐かい〔‐クワイ〕【天地会】

中国、代の秘密結社。18世紀中ごろ、福建に起こり、華中華南組織。打富済貧を掲げてしばしば反乱を起こし、19世紀以降は反清復明はんしんふくみんを唱えた。三合会。

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改訂新版 世界大百科事典 「天地会」の意味・わかりやすい解説

天地会 (てんちかい)
Tiān dì huì

中国,清代の反体制秘密結社。天地会はその対外呼称でみずから洪門と称した。三合会,三点会などその異称は多い。康煕(1662-1722)初年鄭成功の抗清闘争が失敗したあと,華南地方に起源するとされ,乾隆(1736-95)末年の台湾での林爽文の反乱(1786-87)から官憲の注目をあびるにいたった。〈反清復明〉〈滅満興漢〉を宗旨に掲げた厳格な規律をもつ集団で,19世紀を通じてその流れをくむ異名の諸組織がくりかえし各地で暴動を起こした。
会党
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「天地会」の解説

天地会(てんちかい)

清代に活動した秘密結社。清朝を打倒して明朝を復興することを目的とした。三合会,三点会とも称した。発生についてはいろいろの説があるが,おそらく清初,台湾に拠って清朝に反抗した鄭氏(ていし)の残党によってつくられた組織から起こったものであろう。天地会の組織は,台湾,福建,広東,広西,湖南地方で特に盛んで,19世紀初頭から太平天国の乱前後には,農村,都市を問わず大小無数の組織が生まれた。なかには農民や労働者の自衛手段的性格のものもあったが,多くは,賭博(とばく),盗賊,略奪,私税の徴収などの不法行為を働き,ときには連合して大規模な反乱を起こすこともあった。なお南洋各地の華僑(かきょう)の間でも天地会の組織は早くから普及していたが,この場合には天地会組織が会員の利益を擁護増進するための自治機関的な役割を果たしていた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「天地会」の解説

天地会
てんちかい

清朝を打倒し,明朝を復興することを目的とした秘密結社。三合会・小刀会ともいう
反清復明 (はんしんふくみん) ・滅満興漢 (めつまんこうかん) をスローガンに,中国南部から東南アジア一帯にかけて南洋華僑を中心に広く組織された。太平天国を助け,孫文も興中会の創立前後には援助を受けた。哥老 (かろう) 会もその一分派。

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デジタル大辞泉プラス 「天地会」の解説

天地会

中国、清の時代の秘密結社。18世紀後半に華中・華南地方に広がり、清朝に対する反体制的活動を行った。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「天地会」の意味・わかりやすい解説

天地会
てんちかい

三合会

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世界大百科事典(旧版)内の天地会の言及

【会党】より

…前近代には白蓮教などほとんど〈教匪〉一色だったのにたいし,近代に会党が簇出(そうしゆつ)したのは時代の一特色なのである。会党の起源は清初の天地会に求められるが,近代で著名なのは華南の三合会,華中の哥老会など,いわゆる紅幇(ホンパン)である。同性質のものでも名称を異にするものはきわめて多く,青幇(チンパン)も広義には会党に含められる。…

【秘密結社】より

…白蓮教の支派末流は,ごく近年まで根強く活動し,1900年の義和団運動のほか,在理教,黄天道など種々の名で華北一帯の民衆の間に信仰されていたが,その一つである一貫道は,現在も台湾で活発に布教している。 これらとは別に,清代には異民族支配に反抗して漢族の明王室を再興しようとする政治的秘密結社が早くから華南の地に興り,天地会,哥老会,三合会などと称され,辛亥(しんがい)革命(1911)の前後になると,孫文らの革命勢力とも呼応して軍事的な貢献があった。なお,近代中国の秘密結社は,国民党と青幇(チンパン),共産党と紅槍会などの結びつきにみられるように,政治動向の帰趨を左右するほどの大きな勢力を維持していたことに注意しなければならない。…

※「天地会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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