天王(読み)てんのう

精選版 日本国語大辞典 「天王」の意味・読み・例文・類語

てん‐のう ‥ワウ【天王】

(「てんおう」の連声)
[1] 〘名〙 中国で、天子の称。〔広益熟字典(1874)〕 〔礼記曲礼
[2]
[一] 仏語。欲界六天のうち、最下天の四天王の称。
今昔(1120頃か)六「然ば謹々(つつしみつつしみ)敬て天王の形を写して王に奉る」
[二] 牛頭(ごず)天王の称。京都祇園社(八坂神社)や尾張津島大社などの祭神
※とはずがたり(14C前)三「文永の頃、天王の御歌とて」

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デジタル大辞泉 「天王」の意味・読み・例文・類語

てん‐のう〔‐ワウ〕【天王】

《「てんおう」の連声れんじょう
仏語。欲界六天の最下天にいる四天王のこと。
牛頭ごず天王
中国で、天子の称。

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日本歴史地名大系 「天王」の解説

天王
てんのう

[現在地名]碧南市天王町

大浜おおはま村の枝郷本郷の北に隣する海浜の村。明暦二年(一六五六)二八戸が本郷の大浜村から引越し、天王社を祀ったところからこの名がある。元禄一一年(一六九八)戸数四一(村絵図)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「天王」の意味・わかりやすい解説

天王
てんのう

秋田県西部南秋田郡にあった旧町名(天王町(まち))。現在は潟上(かたがみ)市の西部を占める地域。旧天王町は、1951年(昭和26)町制施行。2005年(平成17)昭和、飯田川(いいたがわ)の2町と合併して市制施行、潟上市となった。JR男鹿(おが)線、国道101号が通じる。南、西は日本海、北、東は八郎潟(はちろうがた)調整池に面し、男鹿半島と本土を結ぶ陸繋(りくけい)的な天王砂丘を占める。砂丘列間の低湿地や八郎潟の地先干拓地に水田があり、砂丘上ではナシブドウ、野菜が栽培される。八郎潟調整池でのノリ養殖なども行われる。南部は秋田市に接し、日本海沿岸は秋田湾地区新産業都市の一部になっている。東湖八坂神社のトウニン行事(統人行事)は国指定重要無形民俗文化財

[宮崎禮次郎]

『『天王町誌』(1974・天王町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「天王」の意味・わかりやすい解説

天王 (てんおう)
tiān wáng

中国の君主の称号の一つ。《春秋》には周王を天王と記すが,これは当時諸侯のなかに王を僭称する者が現れたので,それと区別したものだという。下って五胡十六国や北周の天子で皇帝を称せず,天王を称する例が見られる。後趙の石勒(せきろく),石虎,前秦の苻堅(ふけん),後秦の姚興(ようこう),後涼の呂光,北燕の馮跋(ふうばつ),夏の赫連勃勃(かくれんぼつぼつ)および北周の宇文覚,宇文毓(うぶんいく)などがそれである。天王号は皇帝号よりも一歩へりくだった称号で,君主権が唯一絶対性を主張できない状態を物語る。とくに北周のそれは古代の周の模倣である。なお日本の天皇号の起源を天王に求める説がある。
執筆者:

天王 (てんのう)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天王」の意味・わかりやすい解説

天王
てんのう

秋田県中西部,潟上市西部の旧町域。男鹿半島の基部にあり,日本海に面する。秋田市の北西に接する。 1951年町制。 2005年昭和町,飯田川町と合体して潟上市となった。八郎潟調整池と日本海を分ける砂州からなり,付近一帯は砂丘地帯。日本海岸の天王砂丘は大部分が耕地化され,果樹,野菜などの栽培が行なわれる。 1962年秋田湾新産業都市に指定され,国道沿いには中小工場が立地,住宅も増加し,秋田市の郊外住宅地となっている。東湖八坂神社のトウニン (統人) 行事は国の重要無形民俗文化財。

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世界大百科事典(旧版)内の天王の言及

【太平天国】より

…50年初めころ首脳部は清朝を妖魔の最たるものとして打倒し,地上に上帝の意志を体した天国を樹立する意図を固め,春から秋にかけて各地の男女老幼の信徒約1~2万を桂平県金田村に結集し,同年末には清軍との公然たる戦闘が始まった。翌年初め,軍を男軍,女軍に分け,モーセの十戒から取った禁欲的戒律に基づく厳しい軍規を定め,洪秀全は天王と称した。9月,広西省永安(現,蒙山県)で国号を太平天国とし,東・西・南・北・翼の5王以下の官制を定め,東王楊秀清を最高司令官とした。…

※「天王」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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