天理教(てんりきょう)(読み)てんりきょう

知恵蔵 「天理教(てんりきょう)」の解説

天理教(てんりきょう)

中山みき(1798〜1887)によって創始された新宗教。1838年、みきは、息子の病気治しの祈祷の際に神がかり、「神のやしろ」になれとの天理王命からの啓示を受ける。その後、安産の祈祷や病気治しをすると共に、「陽気ぐらし」(理想の世界)の実現を説いた。みきの死後は、飯降伊蔵(1833〜1907)が指導者となる。伊蔵が大工であったことから、教主を「真柱(しんばしら)」、信者を「用木」と呼ぶなど、教団用語として、大工の言葉が多く取り入れられている。天理教は、国家神道体制の下で、教派神道の1つとなるが、1908年に一派独立した。大正末に教勢を拡大し、海外布教にも強い意欲を示し、25年には、海外布教を支援するために、現在の天理大学の前身となる天理外国語学校を設立する。奈良県天理市を本部とし、日本全国に約1万7000の分教会を持つ。信者数は公称約176万人。天理教から分派した教団としては、ほんみち、ほんぶしん、世界心道教などがある。

(岩井洋 関西国際大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android