太平洋釧路炭鉱(読み)たいへいようくしろたんこう

日本歴史地名大系 「太平洋釧路炭鉱」の解説

太平洋釧路炭鉱
たいへいようくしろたんこう

釧路市南東部から釧路町域にわたる明治期以来の炭鉱。北海道の代表的なビルド鉱として太平洋炭鉱株式会社が経営、沖合八キロほどの海底下にある炭層を採掘、その技術は諸国から注目された。炭層は古第三紀の浦幌層群に属する春採層、炭質は亜瀝青炭に属する一般炭で、火力発電や家庭用暖房などの燃料に用いられた。おもな炭坑のうち春採はるとり(春鳥)鉱については、明治六年(一八七三)当時「ハルトル沼南側ノ奥ニ入リ夫ヨリ一ノ沢ニ入リ、石炭脈現出セル処ヲ検査」「樹ニ白シ石炭ノ取在ヲ三ケ所ニ記シ置ケリ」として知られていた(「北海道巡廻日記」同年一一月二日条)。同鉱などの試掘権は釧路漁場持の佐野孫右衛門が保有していたが、同一八年山田慎に譲られた。さらに同二〇年安田善次郎に譲渡されるが(北海道開拓功労者関係資料集録)、安田は川上かわかみ郡の跡佐登あとさのぼり(現弟子屈町)の硫黄精錬、その運搬用の川蒸気船のため当地で発見したともいう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「太平洋釧路炭鉱」の意味・わかりやすい解説

太平洋釧路炭鉱
たいへいようくしろたんこう

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