改訂新版 世界大百科事典 「太良」の意味・わかりやすい解説
太良[町] (たら)
佐賀県最南端,藤津郡の町。人口9842(2010)。南は長崎県,北西は鹿島市に接し,東は有明海に面する。西端にある多良岳(996m)を頂点として有明海に向かって扇状に広がった地形をなし,放射状に走る谷に沿って道路,集落,水田が開ける。海岸線に沿ってJR長崎本線,国道207号線が走る。農林水産業を基幹とし,農業ではミカン栽培を主に米作,畜産が盛ん。漁業ではノリ,貝類の養殖が主力となっている。南端の竹崎漁港は名産の竹崎ガニ,タイラギの水揚げで知られる。行基の開創と伝える竹崎観世音寺には,鎌倉後期造立の石造三重塔のほか多数の石造物があり,毎年1月には鬼祭(裸祭)が行われる。多良岳一帯は県立自然公園に指定されている。
執筆者:松橋 公治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報