夫子(読み)フウシ

デジタル大辞泉 「夫子」の意味・読み・例文・類語

ふう‐し【夫子】

昔、中国で、大夫たいふ以上の人に用いた敬称。また、長者賢者先生などを敬っていう語。「夫子そんぷうし
その当人をさす語。あなた・あの人の意。
「僕の事を丸行灯まるあんどんだといったが、―自身は偉大な暗闇だ」〈漱石三四郎
孔子の敬称。

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精選版 日本国語大辞典 「夫子」の意味・読み・例文・類語

ふう‐し【夫子】

[1] 〘名〙
① 昔、中国で、大夫(たいふ)以上の人に用いた敬称。また、長者・賢者・先生などを敬って呼ぶ語。広く成人男子についてもいう。〔いろは字(1559)〕 〔論語‐憲問〕
② 妻に対して夫をいう。また、妻が夫を呼ぶ敬称。〔易経‐恒卦〕
③ そういうことをいっている、その人。
※三四郎(1908)〈夏目漱石〉四「僕の事を丸行燈だといったが、夫子(フウシ)自身は偉大な暗闇だ」
[2] 孔子の敬称。
※土井本周易抄(1477)四「夫(フウ)子とよめば孔子にまぎれてわるいぞ」 〔論語‐里仁〕

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普及版 字通 「夫子」の読み・字形・画数・意味

【夫子】ふうし

男子。夫。長上。また、師。〔史記、孔子世家論賛〕孔子は布衣、十餘世を傳へ、學之れを宗とす。天子王侯よりして、中國の六を言ふ、夫子に折中す。至と謂ふべし。

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