夷守(読み)ひなもり

精選版 日本国語大辞典 「夷守」の意味・読み・例文・類語

ひな‐もり【夷守】

〘名〙 古代において、辺境の地を守ること。都から遠く離れた、防備の上で重要な土地を守ること。また、その場所やそれを守る人。〔魏志東夷伝倭人
[補注]いくつかの地方にそのまま地名として残った。「筑紫国(つくしのくに)巡狩(めくりみそなは)す、始(はし)めて夷守(ヒナモリ)に到(いた)り」〔書紀‐景行一八年三月(北野本訓)〕、「越後国〈略〉頸城郡〈略〉夷守 比奈毛里」〔二十巻本和名抄‐七〕など。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の夷守の言及

【小林[市]】より

…盆地の周辺は標高300m内外のシラスや礫(れき)層の台地で,南部は霧島火山群,北部は九州山地,東と西は丘陵性の山地が都城盆地,加久藤(かくとう)盆地との境界をなしている。この地は古くは夷守(ひなもり)といわれた辺境守備の地で,《延喜式》に夷守駅の名がある。近世は薩摩藩に属し,島津氏は地頭を置いて管轄した。…

※「夷守」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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