奇静脈(読み)きじょうみゃく

百科事典マイペディア 「奇静脈」の意味・わかりやすい解説

奇静脈【きじょうみゃく】

縦胸静脈ともいう。胸腹壁の深層血液を集める静脈で,脊柱のすぐ両側を縦にのぼる。右側のものは奇静脈と呼び,右の肺根の上を越えて上大静脈に注ぐ。左側のものは半奇静脈と呼び,上から下る副半奇静脈を合して胸の中央で横に走り奇静脈に入る。いずれも下は腰静脈を受ける上行腰静脈に続き,横隔膜の上では肋間静脈を受ける。本来体幹の静脈系の本幹であった主静脈の残りで,上大静脈と下大静脈の流域間の副行路としても役だつ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「奇静脈」の意味・わかりやすい解説

奇静脈
きじょうみゃく
azygos vein

胸大動脈に相当する静脈幹をなすもので,脊柱の右側を上行し,第3~5胸椎の高さで上大静脈に注ぐ。左側には半奇静脈があり,第7胸椎の高さで胸椎の前を横切って奇静脈に合流する。肋間静脈,肋下静脈,食道静脈,後気管支静脈などがこの静脈に入る。縦胸静脈ともいわれる。

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