奈具神社(読み)なぐじんじや

日本歴史地名大系 「奈具神社」の解説

奈具神社
なぐじんじや

[現在地名]弥栄町字船木 奈具

船木ふなきの集落の南西山麓に鎮座祭神は豊宇賀能売命。「延喜式」神名帳にみえる式内社。旧村社。

「丹後国風土記」逸文に「奈具社」がみえ、同書は羽衣伝説が付与した成立を記す。丹波郡比治ひじ山の山頂の真奈井まないに八人の天女が降り水浴をしていた。そこに和奈佐という老夫婦が現れ一天女の羽衣を取って隠し、天に帰れない天女を娘として育てる。娘は醸酒を営み老夫婦は富を得るが、のちに追い出され、娘は各地を放浪し「竹野の郡船木の里の奈具の村」にとどまり、「斯は、謂はゆる竹野の郡の奈具の社に坐す豊宇賀能売命なり」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の奈具神社の言及

【弥栄[町]】より

…金剛童子山は役行者(えんのぎようじや)が開いたと伝え,修験の行場があった。《丹後国風土記》逸文にみえる羽衣伝説にまつわる奈具(なぐ)神社や,溝谷神社など式内社がある。中世には石清水八幡宮領黒戸(くろべ)荘,国衙領野間村,皇室領船木荘などが設置されていた。…

※「奈具神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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