奈良大仏(読み)ならだいぶつ

百科事典マイペディア 「奈良大仏」の意味・わかりやすい解説

奈良大仏【ならだいぶつ】

東大寺の本尊盧遮那(るしゃな)仏座像のこと。銅造で,像高14.9m。聖武天皇発願で,国中公麻呂,鋳師の高市連大国らを中心に国家的事業として製作され,752年に開眼供養。完成後事故や火災に再三あい,鎌倉時代に重源(ちょうげん)を中心として修理,さらに1692年大規模な修復が行われた。下半身はほぼ当初のままで,台座蓮弁の毛彫は天平盛期の彫金の技術の精巧さを示すとともに絵画史料としても貴重。1998年,古都奈良の文化財として世界遺産(文化遺産)に登録。
→関連項目鎌倉大仏大仏毘盧遮那仏

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世界大百科事典(旧版)内の奈良大仏の言及

【大仏】より

… 大仏とは像高が丈六以上ある仏,菩薩像の総称であるが,これには石造,塑造,銅造,木造などがあり,像容には立像,座像,倚像,臥像の種類がある。日本に現存する銅造大仏としては,東大寺金堂(大仏殿)安置の銅造毘盧舎那仏座像(奈良大仏)が最も名高い。聖武天皇は743年(天平15)にその造立を発願し,752年(天平勝宝4)に開眼をみた(大仏開眼)。…

※「奈良大仏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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