奥むめお(読み)オクムメオ

デジタル大辞泉 「奥むめお」の意味・読み・例文・類語

おく‐むめお【奥むめお】

[1895~1997]社会事業家・婦人運動家。福井の生まれ。平塚らいてう市川房枝らと新婦人協会結成して婦人運動に活躍。昭和22年(1947)参議院議員当選。その後、主婦連合会を創立して会長就任

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「奥むめお」の意味・わかりやすい解説

奥むめお
おくむめお
(1895―1997)

社会運動家。福井県に生まれる。本名奥梅尾(むめを)。日本女子大学卒業後、女工として住み込むなど早くから社会問題に関心を示し、1920年(大正9)には新婦人協会の設立参加婦人参政権運動推進した。しかし、運動への反省から、その後は婦人の生活問題を重視するようになり、婦人雑誌の編集、消費組合運動、産業組合婦人部の設立運動などに従事、さらに敗戦まで婦人セツルメント運動を主導した。戦後は1947年(昭和22)参議院議員に当選、以後3期参議院議員。この間、1948年には主婦連合会を結成、「おしゃもじの主婦連」の会長として、消費者運動を主導した。

[北河賢三]

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改訂新版 世界大百科事典 「奥むめお」の意味・わかりやすい解説

奥むめお (おくむめお)
生没年:1895-1997(明治28-平成9)

婦人運動家。福井県に生まれ,日本女子大学卒業後社会問題に関心を持ち,紡績女工も体験。1920年新婦人協会に参加して,女性政治的権利獲得に働いた。協会解散後の23年職業婦人社を設立,以後18年間機関誌を発行する一方,〈働く婦人の家〉を設立したり,消費組合や婦人セツルメント運動をするなど,働く女性と母親の啓蒙,地位向上をはかった。戦後は48年主婦連合会(主婦連)を組織して会長となり,消費者運動の先頭に立った。
執筆者:

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「奥むめお」の解説

奥むめお おく-むめお

1895-1997 大正-昭和時代の女性運動家。
明治28年10月24日生まれ。大正9年新婦人協会結成に参加し,婦人参政権運動を推進。12年職業婦人社を創設,「職業婦人」を発刊(のち「婦人と労働」「婦人運動」と改題)。昭和22年参議院議員(当選3回,緑風会)。23年主婦連合会を結成し会長。自伝「野火あかあかと」がある。平成9年7月7日死去。101歳。福井県出身。日本女子大卒。旧姓は和田。本名は梅尾(むめお)。
【格言など】台所の声を政治へ(主婦連のスローガン)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「奥むめお」の解説

奥むめお
おくむめお

1895.10.24~1997.7.7

大正・昭和期の婦人運動家。福井県出身。旧姓和田,本名は梅尾。日本女子大学卒。女工として紡績工場に勤め労働運動に入る。1920年(大正9)平塚らいてう・市川房枝と新婦人協会を設立し,女性の政治参加を求めて対議会活動を行った。23年に職業婦人社を設立。消費組合運動にも参加。30年(昭和5)には婦人セツルメントを開設して働く女性の地位向上に尽力した。48年主婦連合会を創立して会長となる。以後消費者運動に力を注いだ。著書「野火あかあかと」。

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百科事典マイペディア 「奥むめお」の意味・わかりやすい解説

奥むめお【おくむめお】

婦人運動家。本名梅尾(むめお)。旧姓和田。福井県生れ。日本女子大卒。1920年新婦人協会結成に参加,1923年職業婦人社を設立。1947年参議院議員(当選3回),1948年主婦連を結成し,会長。半世紀以上にわたって女性の政治的権利獲得,消費者運動を主導した。

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世界大百科事典(旧版)内の奥むめおの言及

【主婦連】より

…1948年に開かれた〈もえないマッチを持ちよる会〉を契機にして結成された婦人団体の連合体で,84年現在の加盟団体445。会長は結成以来,奥むめおが務めた(89年より名誉会長)。消費者の権利の確立に取り組み,1951年に米の不足を補うため押し麦を配給ルートにのせるよう運動した際にプラカード代りに使われた大きなごはんしゃもじはその後主婦連のシンボルとなった。…

【新婦人協会】より

…大正時代に婦人の社会的・政治的地位の向上を求めて活動した婦人団体。1919年(大正8)11月平塚らいてうが呼びかけ,市川房枝奥むめおらが応じて,20年3月発会式。男女の機会均等,家庭の社会的意義の闡明(せんめい),婦人・母・子どもの権利擁護を綱領に掲げ,最初の運動として,女子の政治的活動を封じている治安警察法5条の改正と花柳病にかかった男子の結婚制限問題にとりくんだ。…

※「奥むめお」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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