奥武島(読み)おーじま

日本歴史地名大系 「奥武島」の解説

奥武島
おーじま

[現在地名]久米島奥武おう

久米島宇根うに村の東、約四〇〇メートルにある小島。古くはアフアオとよび、当島の東にあるオーハ島(東奥武島)に対し西奥武いりおーともいう。明治期に謝名堂じやなどー村に所属した(仲里村誌)。面積〇・六三平方キロ、最高点一五メートルの低島。二〇〇〇年(平成一二年)の戸数七・人口二〇(離島関係資料)。北側の狭小な海岸段丘と西側の海岸低地を除き、ほとんどが海岸砂丘からなる。南側には東西約五〇〇メートルに延びる砂浜があり、板干瀬(ビーチロック)が分布する。島は久米堡礁内にあり、周辺をイノー(礁池)に囲まれている。地質は新第三紀の安山岩を基盤とし、第四紀完新世の砂丘砂層および沖積層から構成される。北方約三〇〇メートルに、久米島から東の御願崎うがんざち(拝み崎)へ続く干瀬(礁原)が東西に延びている。

「おもろさうし」巻一一の五三に「一 かさす わかてたに(ガサス若日子に)/御みしやく ぬきあけ(御み酌を差し上げよ)/又 まもんわかてたに(真物若日子に)/又 あふのはまさきに(奥武の浜崎に)/又 あふのいふさきに(奥武のイフ〔堆積土〕崎に)/又 おとゝまち とよたる(弟マチ鳴響み人)/又 せさのおやおもい(兄者の御思い)」とある。

奥武島
おーじま

[現在地名]座間味村慶留間

阿嘉あか島の南約三キロに位置する小島嶼群の総称。いずれも無人島。南北約二キロ、東西約一・二キロに広がるサンゴ礁内に一〇余の小島が分布する。最大の島は北東部に位置するうぶ岩で、面積〇・〇五平方キロ、最高点四五・六メートル。うぶ岩の北約一〇〇メートルにくば岩、南西六〇〇―九〇〇メートルになか岩とゆぶ岩などの面積〇・〇一平方キロ以下の岩がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「奥武島」の意味・わかりやすい解説

奥武島
おうじま

沖縄県沖縄島西方約 100kmの久米島東岸に接する島。別称久米島奥武。隣接するオーハ島が東奥武と呼ばれるのに対して西奥武ともいう。久米島町に属する。久米島とは海中道路で結ばれている。西端近くの海岸には五角形,六角形の玄武岩が連続する畳石の奇勝があり,干潮時には久米島との間を徒渉できる。糸満の漁民が渡来して漁業に従事,少数が定住している。面積 0.63km2。人口 32(2005)。オーハ島は面積 0.37km2,人口 8(2005)。

奥武島
おうじま

沖縄県沖縄島南部,南城市の海岸にある島。別称玉城奥武(たまぐすくおう)。かつては沖縄島との間約 150mを渡船で連絡していたが,今日では架橋で結ばれている。付近のサンゴ礁が美しい。面積約 0.23km2。人口 810(2005)。

奥武島
おうじま

沖縄県沖縄島北部の名護市北部にある無人島。別称羽地奥武(はねじおう)。面積 0.25km2。沖縄島と屋我地島(やがじしま)との間にあり,両島と屋我地大橋,奥武橋の南北 2大橋で結ばれている。付近の真喜屋,仲尾次(なかおし),稲嶺などに畑と墓地があり,南岸は貝の養殖場

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「奥武島」の意味・わかりやすい解説

奥武島
おうじま

沖縄県にある島。各地にこの名称の島がある。(1)代表的なのが南城市(なんじょうし)の奥武島(面積0.23平方キロメートル)で、沖縄本島と架橋(奥武橋)する、半農半漁と観光の島である。人口1068(2000)。(2)久米島(くめじま)の東800メートルにある奥武島(面積0.63平方キロメートル)は島尻郡久米島町に属し、観光地である。久米島と海中道路(奥武島海中道路)で結ばれている。人口29(2009)。(3)そのほか、沖縄本島の名護市(なごし)、慶良間列島(けらまれっとう)にもある。古文献によれば、奥武とは「青」の意味をもち、墓所の多い共通性がある。

[目崎茂和]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「奥武島」の解説

奥武島〔沖縄県座間味村〕

沖縄県島尻郡座間味村、慶良間諸島に属する島嶼群。最大のうぶ岩のほか、くば岩、ゆぶ岩などの小島からなる。特にうぶ岩、くば岩は、この岩を通じてニライカナイから神々が訪れる神聖な地とされる。同県名護市にある奥武(おう)島とは別の島。

奥武島〔沖縄県名護市〕

沖縄県名護市にある無人島。本島と屋我地島の間に位置し、それぞれの島と橋で結ばれている。同県島尻郡座間味村にある奥武(おう)島とは別の島。

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