如何せん(読み)イカンセン

デジタル大辞泉 「如何せん」の意味・読み・例文・類語

いかん‐せ‐ん【如何せん】

[連語]
どうしたらよかろうか。どうしようか。
「夜の已に深更なるを―」〈織田訳・花柳春話
いい方法が見いだせないことを表す。残念にも。「家を建てたいが、如何せん地価が高くて手が出ない」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「如何せん」の意味・読み・例文・類語

いかが【如何】=せん[=すべき]

(「いかが」にサ変動詞の「す」と推量助動詞「ん」(「べし」)の付いたもの)
① (「いかが」が疑問の場合。方法に迷って思案にくれる意を表わす) どうしよう。どのようにしようか。
蜻蛉(974頃)中「おはしまさずとも、菖蒲ふかではゆゆしからんを、いかがせんずる」
② (「いかが」が反語の場合) どうしよう、しかたがない。やむをえない。かまわない。
古今(905‐914)恋五・七九九「思ふともかれなむ人をいかがせむあかず散りぬる花とこそ見め〈素性〉」

いかん【如何】 せん

(「いかにせむ」の変化したもの) なすべき手段、方法に絶望感じ、残念な気持で迷う意を表わす。どうしよう。どうしたらいいだろう。残念にも。現代口語では、文中連用修飾語として用いる。いかん。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一「夜の已に深更なるを如何んせん」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉五「如何せん誘はれてもそんな心が出ないから仕方がない」

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