精選版 日本国語大辞典 「如何に」の意味・読み・例文・類語
いか‐に【如何に】
[1] 〘副〙
(イ) (文中に用いて) どう。どのように。どんなふうに。
(ロ) (あとを省略し、文末に用いて) どうか。どんなか。どうしたのか。どうだろうか。どうしようか。
(イ) (文中に用いて) なぜに。どのように。どういうわけで。どうして。
※落窪(10C後)二「いかにの給へるならんと歎けば」
(ロ) (文末に用いて) なぜか。どういうわけか。どうしてだろうか。
※竹取(9C末‐10C初)「かくかたき事をばいかに申さん」
④ 限度がわからないくらいにと、強調し詠嘆する意を表わす。
※伊勢物語(10C前)一一三「ながからぬ命のほどに忘るるはいかに短き心なるらん」
(ロ) (後に逆接の語を伴って) はなはだしく逆接的な前提条件であることを表わす。どれほど。いくら。なんぼ。
※詞花(1151頃)恋上・二二六「我が恋は蓋身かはれる玉櫛笥(たまくしげ)いかにすれどもあふかたぞなき〈よみ人しらず〉」
(イ) (文中に用いて) なんと。なんとまあ。
※後撰(951‐953頃)恋一・六〇〇「ながらへてあらぬまでにも事の葉のふかきはいかにあはれなりけり〈よみ人しらず〉」
(ロ) (文末に用いて) なんということだ。どうだろうね。
⑥ わからない、または表現しにくい状態を、そのまま不定の状態として表わす。引用文中に用い、間接話法の性質が強い。どうこう。
※源氏(1001‐14頃)夕顔「いかになり給にきとか人にもいひ侍らん」
[2] 〘感動〙 相手に呼びかけることば。なんと。もし。これこれ。
※万葉(8C後)七・一二三五「浪高し奈何(いかに)楫取り水鳥の浮寝やすべきなほや漕ぐべき」
[語誌]本来、「いかなり」の連用形。状態や理由についての疑問を表わす(一)が、基本的な用法。(二)は、相手の状態を尋ねる疑問表現としての用法が、形式的に拡大されて、呼びかけに転用されたもの。
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