学鐙(読み)がくとう

改訂新版 世界大百科事典 「学鐙」の意味・わかりやすい解説

学鐙 (がくとう)

丸善発行の読書雑誌。現存のこの種のものとしてはもっとも古い。1897年《学の灯(まなびのともしび)》として創刊月刊,菊判30ページ。第3号から《和洋書籍及文房具時価月報》(1882創刊)を合併巻末に新着洋書目録を付す。1902年から《学灯》,さらに03年《学鐙》に改めた。内田魯庵(1901入社)が編集を担当するようになってから内容が刷新され,とくに1902年1月号の〈19世紀に於ける欧米の名著〉に関するアンケートの調査結果が評判になった。関東大震災後,第2次世界大戦中に休刊戦後は51年に復刊
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「学鐙」の意味・わかりやすい解説

学鐙
がくとう

月刊PR雑誌。1897年(明治30)3月創刊。初め「学の燈(ともしび)」、また、ときに「学燈」とも表記。丸善発行。新着洋書類の案内を兼ねた評論随筆雑誌として特色をもつ。編集者としては1901年(明治34)よりの内田魯庵(ろあん)が有名。魯庵はモーパッサンなどの翻訳や書物随筆など多数執筆。夏目漱石(そうせき)『カーライル博物館』をはじめ森鴎外(おうがい)、上田敏(びん)、谷崎潤一郎、大岡昇平ら多数の作家たちも寄稿した。またゾラトルストイメーテルリンクサルトルモームなど外国文学書の紹介にも誌面を割いて、明治以来、外国文学移入の窓口の役割も果たしてきた。

[大屋幸世]

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