宇品(読み)うじな

精選版 日本国語大辞典 「宇品」の意味・読み・例文・類語

うじな【宇品】

広島市南区の地名宇品港広島港)は日清戦争以降、旧陸軍の輸送基地。現在は内海航路の発着港。

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デジタル大辞泉 「宇品」の意味・読み・例文・類語

うじな【宇品】

広島市南区港湾工業地区。広島港を通称で宇品港という。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宇品」の意味・わかりやすい解説

宇品
うじな

広島市南区にある港湾地区。重要港湾の広島港を通称では宇品港とよぶ。明治初期に県令千田貞暁(せんださだあき)により宇品港築港が計画され、皆実(みなみ)新開と宇品島との間に堤防をつくるなどの工事に着手。1889年(明治22)完成した。日清(にっしん)戦争が始まると、広島は一大兵站(へいたん)基地となり、以後重要な軍用港として発展した。文部省唱歌『港』は宇品港を歌ったものという。現在は、自動車メーカーのマツダの工場がある。市の中心部とは市電、バスで結ばれ、2000年(平成12)には広島高速(広島南道路)が開通している。松山、宮島間など内海航路の発着港となっている。広島市の歴史や産業を紹介する広島市郷土資料館や原生林が茂る元宇品公園、県立広島大学などがある。

[北川建次]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宇品」の意味・わかりやすい解説

宇品
うじな

広島市南部,南区南端の地区。広島港がある。かつては,元宇品 (宇品島) を中心にした旧宇品村。 1889年千田貞暁らの努力で築港が完成。宇品島は人工的に陸繋島となった。日清戦争 (1894~95) 直前,広島駅と宇品港との間に鉄道が敷かれ,戦争時は,戦略物資の輸送基地として重要な役割を果した。第2次世界大戦後は,旧軍用港から貿易港としての機能を高めるとともに,四国や九州をはじめ,内海の島嶼を結ぶ連絡船の発着港となった。第6管区海上保安部をはじめ,港湾合同庁舎や海運会社,倉庫などが集中し,瀬戸内海の重要な海の拠点の1つである。宇品島には,クスノキなど暖帯性樹林が茂る自然林があり,島一帯は元宇品公園に属する。

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百科事典マイペディア 「宇品」の意味・わかりやすい解説

宇品【うじな】

広島県広島市の一部。宇品島が宇品新開ができて陸繋(りくけい)島になった地で,1889年築港が完成,日清戦争のとき兵站(へいたん)基地となり,第2次大戦中は陸軍輸送部があった。広島港として瀬戸内海航路の交通要地。

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