安食(読み)あじき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「安食」の意味・わかりやすい解説

安食
あじき

千葉県北部、印旛(いんば)郡栄町(さかえまち)の中心集落。旧安食町。利根(とね)川と印旛沼に挟まれた低地にある。印旛沼の排水路である長門(ながと)川流域の水田地帯の在町として機能した。利根川沿いの銚子(ちょうし)街道と、成田への別街道の分岐点にあたり、宿場町でもあった。江戸時代中期以後、成田山参詣(さんけい)路の拠点として発達した。明治以後に鉄道が開通してからさびれたが、東隣の成田市に新東京国際空港(現、成田国際空港)が開港(1978)後、安食台などに住宅団地が造成され、町のようすが変化した。大鷲神社(おおとりじんじゃ)は出世開運の神で、12月の例祭は安食の酉市(とりのいち)として知られる。東方の台地上に国指定史跡の岩屋古墳(いわやこふん)や、竜角(りゅうかく)寺境内塔跡を含めた体験博物館、県立「房総のむら」がある。JR成田線安食駅があり、国道356号が通じる。

[山村順次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「安食」の意味・わかりやすい解説

安食
あじき

千葉県北部,栄町の中心地区。利根川水運時代は河岸の宿場町として栄えた。また成田山新勝寺参詣客でにぎわったが,JR成田線の開通で商業機能は衰退利根川印旛沼に挟まれた地域は水田地帯。近年首都圏への通勤者が増え兼業農家が多い。

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世界大百科事典(旧版)内の安食の言及

【栄[町]】より

…利根川南岸に位置し,南は印旛沼に面する。中心集落の安食(あじき)は明治中期まで利根川水運を背景にした印旛沼東岸地域の交易中心地で,成田山参詣の宿場町でもあったが,鉄道開通後は成田に商圏を奪われ衰退した。耕地の大部分を水田が占め,米作が盛んであるが,近年は野菜の生産もふえている。…

※「安食」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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