宗像市(読み)ムナカタシ

デジタル大辞泉 「宗像市」の意味・読み・例文・類語

むなかた‐し【宗像市】

宗像

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日本歴史地名大系 「宗像市」の解説

宗像市
むなかたし

面積:一一一・五〇平方キロ

県の北部、福岡市と北九州市のほぼ中間に位置する。北は玄界灘に臨み、東は遠賀おんが岡垣おかがき町・同郡遠賀町・鞍手くらて郡鞍手町、南は同郡宮田みやた町・若宮わかみや町、南西は宗像郡福間ふくま町、西は同郡津屋崎つやざき町に接する。臨海の北部を除き北から東部にかけて湯川ゆがわ(四七一・四メートル)孔大寺こだいじ(四九九メートル)かな(三一七・四メートル)じよう(三六九・三メートル)四塚よつづか連山が連なり、戸田とだ(二六七・一メートル)権現ごんげん(新立山。三二五・七メートル)と続き、南部は磯辺いそべ(二八六メートル)、南西部は許斐このみ(二七一メートル)と周囲を山地や丘陵に囲まれている。市の東部を水源とするつり川はほぼ中央を貫流し、高瀬たかせ川・朝町あさまち川・山田やまだ川・八並やつなみ川・樽見たるみ川などの支流を合せて玄界灘に注いでいる。平野部は肥沃な沖積低地であるが、釣川の中流付近は集中的な豪雨があると氾濫しやすい。鐘崎かねざきから江口えぐち浜にかけての海岸一帯は玄海国定公園に含まれ、白砂青松のさつき松原は景勝地である。市のほぼ中央部を東西にJR鹿児島本線が横断し、東郷とうごう赤間あかま教育大前きよういくだいまえの三駅が市への玄関口となっている。国道三号が南部を、国道四九五号が北部を横断し、主要地方道若宮―玄海線、宗像―玄海線、直方のおがた―宗像線、北九州―芦屋あしや―福岡線などが縦横に通っている。江戸期筑前二一宿の一宿があった赤間には西鉄バス赤間営業所があり、各方面への起点となっている。交通安全の神様でも知られる宗像大社のほか、鎮国ちんこく寺、神幸祭の大名行列で知られる八所神社がある。市名は古代以来の地名を継承する。

〔原始・古代〕

現宗像市・現宗像郡を含む旧宗像郡域は、旧石器時代の遺跡の希薄な地域である(以下、旧宗像郡域について記述)。海岸部の津屋崎町牟田池むたいけ遺跡は標高一〇メートル前後の丘陵先端にあって、ナイフ形石器などが出土し、この地域における拠点遺跡である。大島おおしまおきノ島は縄文時代前期―晩期にかけて断続的に遺物の出土があり、海上交通のよりどころとなっていた。後期は鐘崎(上八)貝塚・冨地原深田ふじわらふかだ遺跡、福間町手光於緑てびかおみどり遺跡(後期―晩期)、晩期は吉留下惣原よしどめしもそうばる遺跡などがある。鐘崎貝塚は後期土器の標式遺跡として知られている。弥生時代前期に内陸の東郷登とうごうのぼたて遺跡に環溝集落が成立し、周辺に大井三倉おおいみくら遺跡や津屋崎町今川いまがわ遺跡の環溝集落が形成されるほか、竪穴のみを囲い込む光岡長尾みつおかながお遺跡の環溝も存在する。東郷登リ立遺跡は弥生時代全期間にわたって断続的に遺物の出土があり、地域の中心拠点集落である。

宗像市
むなかたし

2005年3月28日:宗像市が宗像郡大島村を編入
【大島村】福岡県:宗像郡
【宗像市】福岡県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宗像市」の意味・わかりやすい解説

宗像〔市〕
むなかた

福岡県北部,釣川流域および三郡山地の北部丘陵に位置する本土部と,玄界灘に浮かぶ大島沖ノ島(無人島)などからなる市。1954年東郷町,赤間町の 2町,南郷村,河東(かとう)村,吉武村の 3村および神興(じんごう)村の一部が合体して宗像町となり,1981年市制。2003年玄海町と合体。2005年大島村を編入。中心地区の赤間は江戸時代に福岡,小倉を結ぶ街道の宿場町として発展。北九州市福岡市のほぼ中間に位置し,住宅地化が著しい。周辺は米作や野菜,ミカンの栽培が行なわれ,酪農も発達。玄海には宗像神社の辺津宮が,大島には中津宮がそれぞれ鎮座し,沖ノ島は 4~9世紀の祭祀品などが多数出土するなど全島が宗像神社の沖津宮の神域となっている。2017年「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」として国際連合教育科学文化機関 UNESCO世界遺産の文化遺産に登録された。福岡教育大学東海大学福岡短期大学がある。JR鹿児島本線,国道3号が通る。玄海の神湊(こうのみなと)から大島にフェリーが運航する。面積 119.94km2。人口 9万7095(2020)。

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