宗像-沖ノ島と関連遺産群(読み)むなかたおきのしまとかんれんいさんぐん

世界遺産詳解 の解説

むなかたおきのしまとかんれんいさんぐん【宗像-沖ノ島と関連遺産群】

2009年に日本の世界遺産暫定リストに記載された宗教遺産。九州本土から約60km、玄界灘の北九州対馬の中間点にある周囲4kmの孤島沖ノ島は、宗像大社の神領で、沖津宮が鎮座する。この小さな島には、祭祀権を掌握した古代有力氏族、宗像氏がその権威を誇った。世界遺産への登録を目指す資産は、沖ノ島、宗像大社境内、津屋崎古墳群、桜京古墳、東郷高塚古墳の5件。宗像大社は4世紀後半から9世紀末にかけて、航海の安全と対外交渉の成就を願って国家的祭祀が行われ、宗像三女神を祀る島伝いの壮大な三宮へと発展を遂げた神社であり、津屋崎古墳群(新原・奴山(しんばる・ぬやま)古墳群)は宗像氏を中心とする海の民の墓域。沖ノ島は、日本における古代祭祀の変遷過程を示す貴重な資料が数多く残り、これらは東アジアにおいて、海を介した古代祭祀がどのように行われていたかをもっとも明瞭に示す例とされる。また現在でもその信仰が継続されているという点でも貴重な資産。

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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