宝達山(読み)ホウダツザン

デジタル大辞泉 「宝達山」の意味・読み・例文・類語

ほうだつ‐ざん【宝達山】

石川県能登半島基部にほぼ南北に続く宝達丘陵主峰。標高637メートル。江戸時代には金を産出

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日本歴史地名大系 「宝達山」の解説

宝達山
ほうだつさん

郡の南東端にあり、富山県および河北かほく郡との境をなす。能登半島の最高峰で標高六三七・四メートル。前田まえだ川・大坪おおつぼ川・宝達川・相見あいみ川・新宮しんぐう川・子浦しお川などの水源で県道押水―福岡ふくおか線が南山腹で林道五ヵ峰ごかみね線に接続し、にわとり坂・なし峠を経て現富山県福岡町へ達する。「能登名跡志」に「宝達山は国の南にあり。まことに三ケ国へ跨れる大山にて、過半能登也。此山は薬草・金銀其外産物多きなれば宝達の名あり」と記し、とくに金の産出地として知られた。金以外の産物では「能登志徴」に砥石・蕨・独活・ぜんまいをあげ、「三州地理志稿」には葛根薯蕷を記す。江戸時代には近隣八四ヵ村の入会山で、必要に応じ屎草・薪類を採集したのはもちろん、炭・楮皮葛粉・石灰を産した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宝達山」の意味・わかりやすい解説

宝達山
ほうだつさん

石川県中央部、羽咋(はくい)郡宝達清水町(ほうだつしみずちょう)押水(おしみず)地区にある山。標高637メートル。宝達丘陵の主峰で、能登(のと)の最高峰。花崗(かこう)岩、片麻岩からなり、天正(てんしょう)~慶長(けいちょう)年間(1573~1615)は金山で栄えた。また薬草、石灰、蛍石など産物が多いことから宝達の名があるという。山頂に手速比咩(てはやひめ)神社の奥社があり、いまも宝達権現(ごんげん)祭が行われる。ブナ、ユキツバキなど植相は豊かで、県畜産総合センターがある。山頂は無線中継所のアンテナが林立し、加賀、能登、越中(えっちゅう)の眺望に優れ、車道が通じる。

[矢ヶ崎孝雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宝達山」の意味・わかりやすい解説

宝達山
ほうだつざん

石川県能登半島の基部にある山。宝達丘陵の最高峰で標高 637m。閃緑岩花崗岩,片麻岩から成る。江戸時代は金を産出し,明治期には石灰岩,第2次世界大戦までは蛍石もとれたが,現在はいずれも廃鉱。南西斜面に県の畜産試験場があり,ウシが放牧されている。山頂には手速比 咩 (てはやひめ) 神社があり,眺望がよい。

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世界大百科事典(旧版)内の宝達山の言及

【押水[町]】より

…砂丘の内側はかつて潟湖であった。基幹産業は農業で米作を中心に花木・果樹栽培が行われ,宝達山西麓には県営放牧場がある。北川尻には藩政時代十村役を務めた喜多家の住宅(重要文化財),北部の末森山には城跡がある。…

【宝達丘陵】より

…石川県能登半島の基部,俱利伽羅(くりから)峠を起点に石動(いするぎ)山に至る地塁性の丘陵。最高所の宝達山(標高637m)は花コウ岩,片麻岩類からなる火山。近世初期,宝達金山の採掘が行われたが,1628年(寛永5)の地震で廃絶したという。…

※「宝達山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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