実効為替相場(読み)じっこうかわせそうば(英語表記)effective exchange rate

知恵蔵 「実効為替相場」の解説

実効為替相場

ある国の通貨の価値が他の国々の通貨に対して、平均してどれだけ変化しているかを示す指標為替相場は、2通貨の価値の相対関係を示すものであり、ある通貨のその他複数通貨との価値関係を総合的にとらえるためには、別の特別な指標が必要である。そこで、1国の通貨の他の諸通貨に対する為替相場の変化率を、貿易量などの比率を使って加重平均して指数化した名目実効為替相場が考案された。名目実効為替相場の変化率からインフレによる通貨価値の下落分を差し引き、同様に加重平均したものが実質実効為替相場。実質実効為替相場の変化はその国の輸出競争力の変化を表す、といわれる。実効為替相場は、ある年度を基準としてその年度に対する各年変化率で表示され、IMFなどが各国の実効相場の推移を発表している。

(絹川直良 国際通貨研究所経済調査部長 / 2007年)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「実効為替相場」の意味・わかりやすい解説

実効為替相場
じっこうかわせそうば
effective exchange rate

(1) 為替相場に際して,実際上採算の基礎となる為替相場。たとえば公定相場が決められていても当局が為替の売買に税を課している場合,実際の採算相場は公定相場に当該税額を加減したものとなる。 (2) 複合為替相場のこと。一通貨の対外価値を特定通貨に対する為替相場で代表することは,主要通貨が相互に変動している場合特に適正さを欠くところから考案されたもので,指数 (またはその変化率) で表わされる。通常は自国の貿易に占める相手国のシェアによってウエイトづけた通貨価値を合成することによって算出される。

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