客・賓(読み)まれびと

精選版 日本国語大辞典 「客・賓」の意味・読み・例文・類語

まれ‐びと【客・賓】

〘名〙 (「まれひと」とも。稀(まれ)人の意) =まろうど(客)
※あさぢが露(13C後)「たれぞととはすれば、これにまれ人のおはするといはすればあやしくて」
[語誌]「まれ」が他の語を下に伴って複合語を作るときの形「まら」に「ひと(人)」の付いた「まらひと」が古形中古には音便化して「まらうと」(後に「まらうど」とも)の形で用いられたが、中世には語源が分かりにくくなったため「まれひと」が並用された。

まろうど まらうど【客・賓】

〘名〙 (「まらひと(客)」の変化したもの。古くは「まろうと」) 他から来た人。珍客客人。まらひと。まれひと。まれうど。
書紀(720)仁徳一二年八月(前田本訓)「高麗の客(マラウト)に朝(みかと)に饗(あ)へたまふ」

まら‐ひと【客・賓】

〘名〙 (「まら」は「まれ(稀)」の交替形) =まろうど(客)
仏足石歌(753頃)「薬師は 常のもあれど 麻良比止(マラヒト)の 今の薬師 貴かりけり 賞(め)だしかりけり」

まれ‐うど【客・賓】

※歌仙本貫之集(945頃)四「人の家にまれうどあまた来て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android