宮座神事[上鴨川](読み)みやざしんじ[かみかもがわ]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宮座神事[上鴨川]」の意味・わかりやすい解説

宮座神事[上鴨川]
みやざしんじ[かみかもがわ]

兵庫県中南部,加東市上鴨川の住吉神社で,10月4~5日に宮座によって行なわれる神事。宮座は,近年は希望者も加入できるが,本来は 24軒の長男のみで維持されてきたもので,8歳頃に加入してからの年数によって,若い衆,清座(きよざ),年寄に分かれる。神事では,清座が神主となり,若い衆が年数に従って,禰宜(ねぎ),頭屋の役と神事舞の各演目を担う。4日は若い衆の宮入りと長床での座祭りがあり,神主が拝殿でお神楽を舞う。その後,庭でゴホントウと呼ばれる神事舞が始まる。ゴホントウとは鳥甲(とりかぶと)に上向き鼻の鼻高面を着けを持つリョンサン舞,獅子舞田楽,それに田楽の役の者が扇を持って舞うイリ舞である。翌 5日は,前日同様の舞に続いて高足があり,翁舞の「いど」「万歳楽」「六ぶん」「翁」「宝物」「冠者」「父の尉(じょう)」が舞われ,長床では翁舞の時に頭屋を交代する頭渡しがある。また,神事舞が終わると,宮座に新加入した子供から始まる神の相撲がある。一連の神事舞は,上鴨川住吉神社神事舞として国の重要無形民俗文化財に指定されている。

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