家苞(読み)いえづと

精選版 日本国語大辞典 「家苞」の意味・読み・例文・類語

いえ‐づと いへ‥【家苞】

〘名〙 家へ持ち帰るみやげ。
万葉(8C後)一五・三六二七「海神(わたつみ)手纏(たまき)の玉を 伊敝都刀(イヘヅト)に 妹(いも)に遣らむと」
方丈記(1212)「かへるさには、をりにつけつつ、桜を狩り、紅葉をもとめ、わらびを折り、木の実をひろひて、かつは仏にたてまつり、かつは家づとにす」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「家苞」の意味・読み・例文・類語

いえ‐づと〔いへ‐〕【家×苞】

わが家に持ち帰るみやげもの。
「―に貝そひりへる浜波はいやしくしくに高く寄すれど」〈・四四一一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の家苞の言及

【包み】より

…〈包む〉という語は〈苞(つと)〉と語源を同じくするが,〈苞〉とはわらなどを束ねてその両端を縛り,中間部で物をくるむもの(藁苞(わらづと))であり,後には贈物や土産品の意味(家苞(いえづと))にも使われるようになった。また心理的方面においては〈包む〉は〈慎しむ〉に通じて〈隠す〉〈秘める〉〈はばかる〉といった意味合いを含み,ことに儀礼的局面におけるさまざまな〈包み〉の技法の心理的背景となってきた。…

※「家苞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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