精選版 日本国語大辞典 「家鴨・鶩」の意味・読み・例文・類語
あひる【家鴨・鶩】
〘名〙
※雲形本狂言・縄綯(室町末‐近世初)「後ろすがたをつくづくと見てゐましたれば、あひるのありく様にゑたゑたゑたゑたと」
② 背が低くて尻が大きく、アヒルのような不格好な者の意で、あざけっていうことば。多く下女をいう。
※雑俳・へらず口(不及子編)(1734)「家鶏(アヒル)まで鶴のかうがひ鴎髩(かもめづと)」
③ 江戸深川の七つの岡場所のうち、佃島(つくだじま)にあった私娼窟。また、そこの私娼。上総国(千葉県)畦蒜(あひる)郡の女が江戸佃島に移って来て船頭相手に商売したからとも、揚銭の少ないのを「銭(あし)短し」といったからともいい、その他諸説がある。
④ 尻の大きい女。安産だといわれる。
※雑俳・長ふくべ(1731)「家鴨にはとり上げばばも塩がない」
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