宿徳(読み)シュウトク

デジタル大辞泉 「宿徳」の意味・読み・例文・類語

しゅう‐とく〔シウ‐〕【宿徳】

[名・形動ナリ]《「しゅくとく」の音変化という》
僧などが修行して、人徳のあること。また、その人や、そのさま。
気遠げなる―の僧都僧正の際は」〈橋姫
落ち着いて威厳のあること。重々しく、どっしりしていること。また、そのさま。
「―にものものしき御さまかたち、あな清げ、今ぞ盛りと」〈増鏡・老のなみ〉

しゅく‐とく【宿徳】

仏語前世で行った福徳宿福
しゅうとく(宿徳)1
しゅうとく(宿徳)2

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「宿徳」の意味・読み・例文・類語

しゅう‐とく シウ‥【宿徳】

〘名〙 (「しゅくとく(宿徳)」の変化した語とする説に従えば、歴史的かなづかいは「しゅうとく」となる)
① (形動) 修行をして身に徳を積むこと。また、その人やそのさま。年をとった高徳の人。
※御巫本大和(947‐957頃)二五「しうとくにてましましけるだいとこはやう死ににけるが」
② その道の年功を積むこと。また、その人。経験豊かな、年輩のおもだった女房などにもいう。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「女御の君の御車の次には、みくしげ殿、副車(ひとだまひ)さながら立つ。その次に、よろづのしうとく乗りたれど」
③ (形動) 人の姿や態度などが、重々しく威厳のあること。また、そのさま。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「几帳の縫物したる立てて、いとおとなしうしうとくなる声にて『なほ、ここにこそ』とて、しとねさし出でて」

しゅく‐とく【宿徳】

〘名〙
① 仏語。前世で行なった福徳。宿福。
続日本紀‐天平宝字三年(759)五月庚辰「僧専住極口而詈宿徳」 〔後漢書‐劉矩伝〕
③ (形動) =しゅうとく(宿徳)
今昔(1120頃か)三「舎利弗は肥白くして宿徳也」
宿老の年齢に達した公卿装束白地、無文、平絹の類を用いるのを普通とする。
御湯殿上日記‐文明一二年(1480)正月一〇日「むろまち殿けふより御しゆくとくの御すかたなり」

しゅう‐とこ シウ‥【宿徳】

〘名〙 (形動) 「しゅうとく(宿徳)」の変化した語。

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普及版 字通 「宿徳」の読み・字形・画数・意味

【宿徳】しゆくとく

徳のある老人。〔東観漢記、七、北海敬王睦伝〕睦、恭にして士を好む。名儒宿、門に(いた)らざる(な)し。永中、法頗(すこ)ぶる峻、睦乃ち客を謝し、心を樂に放(ほしいまま)にす。

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