寂寥(読み)せきりょう

精選版 日本国語大辞典 「寂寥」の意味・読み・例文・類語

せき‐りょう ‥レウ【寂寥】

〘名〙 (形動ナリ・タリ) ものさびしいこと。ひっそりしていること。また、そのさま。寂寞。寂寂。じゃくりょう。
文華秀麗集(818)上・春日大弟雅院〈嵯峨天皇〉「此地端居翫風景、寂寥人事暫無関」
色葉字類抄(1177‐81)「寂寥 セキレウ」
※如是放語(1898)〈内田魯庵〉「爾(し)かく寂寥(セキレウ)ならざる文壇をも猶ほ寂寥(セキレウ)なりと咳(つぶや)ける読書社会の」 〔楚辞‐九歎・惜賢〕

じゃく‐りょう ‥レウ【寂寥】

〘名〙 (形動タリ) (「じゃく」は「寂」の呉昔) ものさびしいこと。ひっそりしていること。また、そのさま。せきりょう。
三国伝記(1407‐46頃か)一「貧乏寂寥の身なれば、未だ飡飲の一俵をも与えず」

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デジタル大辞泉 「寂寥」の意味・読み・例文・類語

せき‐りょう〔‐レウ〕【寂×寥】

[名]心が満ち足りず、もの寂しいこと。「寂寥感」
行介は何か淡い―を覚えた」〈山本有三・波〉
[ト・タル][文][形動タリ]ひっそりとしてもの寂しいさま。「寂寥とした冬景色
[類語]寂寞せきばく索漠さくばく落莫らくばく蕭然しょうぜん蕭蕭しょうしょう蕭条しょうじょう蕭殺しょうさつ寥寥りょうりょう寂しい徒然つれづれ徒然とぜん手持ち無沙汰退屈所在ない持て余す無聊ぶりょうひま手透き手明き用無し閑散開店休業

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普及版 字通 「寂寥」の読み・字形・画数・意味

【寂寥】せきりよう(れう)

さびしく、ものしずか。〔老子二十五〕物りて混し、天地に先だちて生ず。寂たり、寥たり。獨立して改(かは)らず、行して殆(あやふ)からず。以て天下の母と爲るべし。

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