富士田音蔵(2代)(読み)ふじた・おとぞう

朝日日本歴史人物事典 「富士田音蔵(2代)」の解説

富士田音蔵(2代)

没年:安政6.2.2(1859.3.6)
生年:寛政10(1798)
江戸後期の長唄唄方。初代富士田千蔵の門人。幼名吉太郎,前名新蔵。天保12(1841)年に2代目音蔵を襲名する。声量があり余るほどで節の切れ目が尻上がりになる独特の唄い方をし,しかも美声であったので「美音の音蔵」と呼ばれ,3代目岡安喜三郎,3代目芳村伊十郎と共に天保の三名人に数えられている。晩年,ゆえあって滝村音蔵あるいは多喜村音右衛門と改める。音蔵の名跡は,昭和期までに6代を数える。

(植田隆之助)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「富士田音蔵(2代)」の解説

富士田音蔵(2代) ふじた-おとぞう

1798-1859 江戸時代後期の長唄唄方。
寛政10年生まれ。初代富士田千蔵の門弟。天保(てんぽう)6年3代富士田新蔵をついで立唄(たてうた)となり,12年2代音蔵を襲名。「美音の音蔵」とよばれ,天保の三名人のひとりにかぞえられる。晩年は滝村音蔵,多喜村音右衛門と改名。安政6年2月2日死去。62歳。初名は吉太郎。俳名は歌成。

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