朝日日本歴史人物事典 「富士田音蔵(2代)」の解説
富士田音蔵(2代)
生年:寛政10(1798)
江戸後期の長唄唄方。初代富士田千蔵の門人。幼名吉太郎,前名新蔵。天保12(1841)年に2代目音蔵を襲名する。声量があり余るほどで節の切れ目が尻上がりになる独特の唄い方をし,しかも美声であったので「美音の音蔵」と呼ばれ,3代目岡安喜三郎,3代目芳村伊十郎と共に天保の三名人に数えられている。晩年,ゆえあって滝村音蔵あるいは多喜村音右衛門と改める。音蔵の名跡は,昭和期までに6代を数える。
(植田隆之助)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報