寒月(読み)かんげつ

精選版 日本国語大辞典 「寒月」の意味・読み・例文・類語

かん‐げつ【寒月】

〘名〙
① 寒い夜に光の冷たく冴えわたった月。冬の月。《季・冬》
明衡往来(11C中か)中末「不参内侍、対寒月寐」 〔杜甫‐北征詩〕
② 寒いころ。冬。冬季
養生訓(1713)二「寒月はますべくしてかへってかれてすくなし」

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デジタル大辞泉 「寒月」の意味・読み・例文・類語

かん‐げつ【寒月】

冬の夜の冷たくさえわたった光の月。 冬》「―や我ひとり行く橋の音/太祇
[類語]月輪夕月立ち待ち月居待ち月寝待ち月残月有明の月新月三日月上弦下弦弦月弓張り月半月満月望月明月名月春月朧月

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普及版 字通 「寒月」の読み・字形・画数・意味

【寒月】かんげつ

冬の月。冬。〔鶴林玉露、丙四、誠斎夫人〕楊齋夫人羅氏、年七十餘、、黎き、廚に詣(いた)り躬(みづか)ら鬻(かゆ)一釜を作り、(あまね)く奴婢に享し、然る後之れをして役せしむ。~曰く、我自ら此れを樂しむ。きを知らずと。

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改訂新版 世界大百科事典 「寒月」の意味・わかりやすい解説

寒月 (かんげつ)

都山流尺八楽本曲。1911年2月,初世中尾都山作曲。同年の勅題〈寒月梅花を照らす〉にちなみ,凄絶(せいぜつ)な寒月の叙景と,それに寄せる作者感懐を表現した曲。3段構成で,初段・2段は独奏,3段は三重奏。全体として序破急の構成と見立てられるが,各段の形式は自由で,とくに主題を設けず,随意即興的に展開する。都山流らしい手法縦横に駆使され,同流本曲中でも秘曲の一つとされる。
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