寝所(読み)ねどころ

精選版 日本国語大辞典 「寝所」の意味・読み・例文・類語

ね‐どころ【寝所】

〘名〙
書紀(720)仁徳一六年七月(前田本訓)「玖賀媛、和(あまな)はず。乃ち、強(あながち)に帷内(ネトコロ)に近(ちかつ)く」
歌舞伎韓人漢文手管始唐人殺し)(1789)四「ねどころを敷(しく)
※枕(10C終)一「からすのねどころへ行くとてみつよつふたつみつなどとびいそぐ」

しん‐じょ【寝所】

〘名〙 睡眠をとるための場所。寝るための部屋寝室。ねどころ。
今昔(1120頃か)五「阿就女喜て竊に寝所に具して入ぬ」
平治(1220頃か)上「平左衛門尉泰頼は、骨ある者なれば、めして御寝所にをかせ給ひけるが」

ね‐ど【寝所】

〘名〙 =ねどこ(寝床)(一)
万葉(8C後)一四・三四二八「安多多良(あたたら)の嶺(ね)に伏す鹿猪(しし)のありつつも吾(あ)れは到らむ禰度(ネド)な去りそね」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「寝所」の意味・読み・例文・類語

しん‐じょ【寝所】

寝る部屋。寝室。
[類語]寝室寝間ねま寝屋ねや閨房ベッドルーム

ね‐ど【寝所】

寝床寝所しんじょ
安太多良あだたらに伏す鹿猪ししのありつつもあれは至らむ―な去りそね」〈・三四二八〉

ね‐どころ【寝所】

寝る場所。「今夜寝所を定める」
ねぐら。巣。
「烏の―へ行くとて」〈・一〉

ね‐どこ【寝所】

寝るための場所。寝所しんじょ

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世界大百科事典(旧版)内の寝所の言及

【住居】より

…つまりそこは外に向かって開かれた場所といえる。伝統的には男性の多くが,家族のいる〈ビレック〉という居室ではなく,夜このルアイに休んできたし,男性客が泊まる場合もルアイが寝所となる。このように接客空間ルアイが内と外のはざまにあって,両義性を体現しているのである。…

※「寝所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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