対自(読み)タイジ(英語表記)für sich; pour soi

デジタル大辞泉 「対自」の意味・読み・例文・類語

たい‐じ【対自】

フュールジッヒ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「対自」の意味・読み・例文・類語

たい‐じ【対自】

〘名〙 (für sich の訳語) 哲学で、ヘーゲル弁証法の中の、即自(an sich)の直接状態から発展した第二の段階をいう。自己自身に関係し、自己を対象化するあり方。向自

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「対自」の意味・わかりやすい解説

対自
たいじ
für sich; pour soi

自己に対して自覚的に,の意。意識的存在者が自己自身についてもつ認識に固有の特性ヘーゲルにおいては,即自すなわち抽象的自己同一性を保った概念 (一般者,絶対者) が,その内有した特殊性を展開して,自己を意識し,自己 (主観) と対象 (客観) とに分裂した弁証法的段階をいう。サルトルにおいては,自己のうち否定契機を蔵した意識存在としての人間のあり方を示す。サルトルはこれを「あらぬところのものであり,あるところのものであらぬ」と表現する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android