射水神社(読み)いみずじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「射水神社」の意味・読み・例文・類語

いみず‐じんじゃ いみづ‥【射水神社】

富山県高岡市古城にある神社。旧国幣中社。祭神二上(ふたかみのかみ)。伊彌頭(いみず)国造の祖神をまつり、もと二上山にあり二上権現とも呼ばれた。明治八年(一八七五)現在地に遷座。式名神大社。越中総鎮守。

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デジタル大辞泉 「射水神社」の意味・読み・例文・類語

いみず‐じんじゃ〔いみづ‐〕【射水神社】

富山県高岡市古城にある神社。祭神は二上神ふたかみのかみ

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日本歴史地名大系 「射水神社」の解説

射水神社
いみずじんじや

[現在地名]高岡市二上

二上ふたがみ集落北方の山裾にあり、祭神二上神、旧国幣中社。二上射水神社とも称する。「延喜式」射水郡一三座の一つとされる。近世二上神社。標高二七三メートルの二上山を神体とする神とされる。二上神は宝亀一一年(七八〇)一二月一四日、礪波となみ高瀬たかせ神とともに従五位下に叙せられた(続日本紀)。以下貞観元年(八五九)一月二七日に越中国の最高位である正三位になるまで(三代実録)、六国史などに六回登場する。だが以後二上神の名称は途絶え、「延喜式」神名帳には代わって射水神社が射水郡一三座の筆頭に記されることになる。ことに同帳雲州本には射水神社を「名神大」と記しており、越中国式内社中の唯一の大社とみなされている。だが九条家本以下の古写本では射水神社を「名神大」とせず、気多けた神社にそれを付している。その間の事情については、石川県鶴来つるぎ町の白山比しらやまひめ神社蔵の「白山之記」には、「神亀年中(中略)越中二宮ノ二神ハ越中之一宮ト成、気多ハ能登郡之時、為一宮之間(中略)但越中ニ新気多ヲ奉祝、二神諍一宮、二神ハ無力之間、新気多成一宮云々」とあり、越中国から能登国が分立した後に、旧越中国一宮の羽咋気多はくいけた神社が能登国一宮に、旧越中国二宮の二神(二上)神社が新越中国一宮になった。

射水神社
いみずじんじや

[現在地名]高岡市古城

高岡城跡の本丸跡に位置。旧国幣中社。祭神は瓊瓊杵尊(二上神)。「延喜式」神名帳の射水郡一三座の筆頭に射水神社が記されている。雲州本には「名神大」とあり、越中国式内社中唯一の大社とみなされている。しかし射水神社の名は他の古代史料にはまったく登場しない。一方、貞観元年(八五九)に正三位に昇叙した二上神は(「三代実録」同年一月二七日条)、「延喜式」神名帳には記載がない。このことから近世には二上神と射水神とは一体と考えられるようになり、「越中国式内等旧社記」は二上ふたがみ神社として「式内一座、名神大社」と記す。明治二年(一八六九)には加賀藩がその説に基づいて射水神社号を復活するとともに、二上山権現(二上神社)を廃し、その祭神を射水神社の祭神とした。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「射水神社」の意味・わかりやすい解説

射水神社
いみずじんじゃ

富山県高岡市古城に鎮座。祭神は二上神(ふたかみのかみ)。『万葉集』にも詠まれた二上山の山麓(さんろく)に創建されたと伝えるが、年代は不詳。「いみず」は忌水すなわち神聖な川の意で、富山県北西部の地域名である。『先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)』に成務(せいむ)天皇の代に宗我(そが)(蘇我)氏と同祖の武内宿禰(たけしうちのすくね)の孫大河音足尼(おおかわとのすくね)が伊弥頭国造(いみずのくにのみやつこ)に定められたとあり、二上神はその祖神であるともいわれる。780(宝亀11)12月従(じゅ)五位下に叙し、累進して清和(せいわ)天皇の859年(貞観1)に正三位(しょうさんみ)を授かり、『延喜式(えんぎしき)』では名神(みょうじん)大社に列している。旧国幣中社。1875年(明治8)に二上山麓から現社地(高岡城本丸跡)に遷座。例祭4月23日。旧社地にある射水神社は、氏子の願いによって祀(まつ)られた分社であったが、1896年独立、平安中期の男神坐像(ざぞう)(国の重要文化財)を所蔵し、古風な筑山(つきやま)神事を伝えている。

[菟田俊彦]

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改訂新版 世界大百科事典 「射水神社」の意味・わかりやすい解説

射水神社 (いみずじんじゃ)

富山県高岡市古城公園に鎮座。もと北方の二上山の麓にあったが,1875年現在地に遷座した。二上山は双峰の霊山で,二神の山と仰がれ,神社も二上(ふたがみ)神社あるいは二上権現と呼ばれたが,《延喜式》には〈射水神社〉とある。伊弥頭(いみず)国造の祖神をまつるといわれるが,いまは祭神名を二上神としている。早くから記録にあらわれ,859年(貞観1)には正三位の神階に昇り,延喜の制では名神大社に列した。後に越中の一宮となったこともある。旧国幣中社。例祭は4月23日。旧社地の二上にある射水神社分社は1954年に独立,4月23日の春祭には古風な築山神事を行う。平安中期の作とされる男神座像は重要文化財。
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百科事典マイペディア 「射水神社」の意味・わかりやすい解説

射水神社【いみずじんじゃ】

富山県高岡市に鎮座。旧国幣中社。二上(ふたのぼり)神をまつる。古く越中の総鎮守として二上山にまつられた。延喜式内の名神大社とされる。例祭(4月23日)には築山神事が行われる。ほかに火祭(1月14日)。祭神の等身大の木造男神座像は平安後期作とされ,重要文化財。

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デジタル大辞泉プラス 「射水神社」の解説

射水(いみず)神社

富山県高岡市古城にある神社。祭神は瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)。二上神(ふたかみのかみ)とも。かつては二上山の麓にあったが、1875年現在地に移転。

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