射水(読み)しゃすい

精選版 日本国語大辞典 「射水」の意味・読み・例文・類語

しゃ‐すい【射水】

〘名〙
① 主に平安時代、悪性腫物に用いられた灌水療法。一般には、大竹を樋とし、水口を大きくして一方から水を汲み込み、患部に絶えず水をそそいで冷した。
※中右記‐承徳二年(1098)六月六日「令名医之処、頗以更発、早可射水者、仍朝夕射水」
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※雑俳・後の栞(1816)「ここ大事・汗かいてゐる射水持」

いみず いみづ【射水】

富山県西北部の郡名。旧郡域には、高岡市の一部、氷見市新湊市も含まれた。

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デジタル大辞泉 「射水」の意味・読み・例文・類語

いみず〔いみづ〕【射水】

富山県北西部庄川下流東岸を占める市。古くから漁港として発展。放生津ほうじょうづ潟に富山新港が造成された。金属工業も盛ん。平成17年(2005)11月に新湊市・小杉町大門町下村大島町が合併して成立。人口9.4万(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「射水」の意味・わかりやすい解説

射水[市] (いみず)

富山県中央西部の市。2005年11月新湊(しんみなと)市と大島(おおしま),小杉(こすぎ),大門(だいもん)の3町および下(しも)村が合体して成立した。人口9万3588(2010)。

射水市北西部の旧町。旧射水郡所属。1969年町制。人口9259(2000)。富山平野の西端にあり,庄川下流東岸の低地を占める。水稲単作地帯の純農村であったが,昭和初期から工場誘致を行い,呉羽紡績(現,東洋紡),電気冶金(現,日本電工)などの大企業の進出をみた。新湊の南隣で,富山と高岡の間に位置し,近年は国道8号線沿いに工場や倉庫の進出が著しく,1978年には工業団地が造成された。高岡市や富山市への通勤者も増え,1970年ころから人口が増加し,70年から85年までの5年ごとの人口増加率は10%をこえた。鳥取の八幡宮境内に《古事記》にちなむ〈鳥取の里〉の石碑がある。JR北陸本線が通じる。

射水市南東部の旧町。旧射水郡所属。人口3万2356(2000)。富山平野の西部にあり,町域の南半部は丘陵である。中心集落の小杉は江戸時代,北陸街道の宿場町で,2・5・8の九斎市が開かれていた。明治以降は射水郡の行政・商業の中心となっている。水稲単作地帯で,1963年から国の水利事業により湿田の乾田化が進んだが,兼業化が著しい。富山新港臨海工業地域のベッドタウンとして南部の丘陵地に太閤山ニュータウンが建設され,県民公園太閣山ランドも開設された。北陸自動車道小杉インターチェンジが設けられ,付近には富山県立大学,県立技術短大,流通センターなどがある。JR北陸本線,国道8号線が通じる。

射水市北東部の旧村。旧射水郡所属。人口2018(2000)。富山平野の西部にあり,村域の大半は標高1m未満の低地である。中心集落の加茂は1662年(寛文2)加賀藩により宿駅が設置され,北陸道の宿場町としてにぎわったが,明治以降は停滞した。水田単作地域で米作が中心であるが,近年兼業化が著しく,富山市と旧新湊市への通勤者も多い。村内の加茂神社には〈やんさんま〉(流鏑馬(やぶさめ)),牛乗,稚児舞などの神事が伝わる。
執筆者:

射水市北端,庄川の最下流域右岸にある旧市。富山湾に臨み,市街地は砂丘上にあるが,市域全体は低湿である。1951年高岡市より分離して市制。人口3万7287(2000)。古くは奈呉,放生津(ほうじょうづ)と呼ばれ,鎌倉時代の守護所,加賀藩時代の蔵宿がおかれるなど,この地方の中心であった。江戸時代には北前船をはじめ回漕業が盛んであった。また漁業も盛んで,台網漁(マグロ,ブリ)が発達し,富山湾内有数の定置網漁業の根拠地となった。今は沿岸漁業以外に夏季には遠洋に出かける。大正初期に日本鋼管富山電気製鉄所,昭和10年代に日本高周波鋼業が立地し,フェロアロイ(合金鉄)や特殊鋼を製造した。1961年市域中央部の放生津潟を利用して掘込み式の富山新港をつくり,周辺に工業用地を造成して県の重化学工業化の拠点とする大事業が始められた。港は68年に開港した。
執筆者:

射水市南西部の旧町。旧射水郡所属。人口1万2583(2000)。富山平野西部,庄川東岸に位置する。中心集落の大門は1653年(承応2)に町立てされ,北陸道の宿場町として発達した。主産業は米作を主とする農業で,近年養豚やナシ,マスカットなどの生産がふえている。庄川扇状地末端の湧水帯には養鱒場がある。また南部の射水丘陵からとれる粘土を原料に瓦の製造が行われる。庄川東岸の段丘には縄文~古墳時代の複合遺跡串田新遺跡(史)がある。JR北陸本線が通じる。
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