小保内虎夫(読み)おぼないとらお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小保内虎夫」の意味・わかりやすい解説

小保内虎夫
おぼないとらお
(1899―1968)

心理学者。岩手県に生まれる。1924年(大正13)東京帝国大学心理学科を卒業。旧制東京高等学校教授を経て1945年(昭和20)から東京文理科大学(後の東京教育大学)教授、1963年からは日本大学教授。幅の広い実験心理学者であるが、おもな関心は視知覚の領域にあり、とくに図形残効、幾何学的錯視に関する研究が多い。1932年(昭和7)から1968年までの間に77編の論文を発表して心理・物理的感応理論を提唱し、人間行動の基礎には興奮抑制の二つの拮抗(きっこう)する過程が働く場があると主張した。著書に『心理学と文化』(1948)、『人間科学の基礎』(1954)などがある。

[宇津木保]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小保内虎夫」の解説

小保内虎夫 おぼない-とらお

1899-1968 昭和時代の心理学者。
明治32年4月25日生まれ。東京文理大教授などをへて昭和24年東京教育大教授。視知覚の研究で小保内学説とよばれる感応理論をたてた。昭和43年12月21日死去。69歳。岩手県出身。東京帝大卒。著作に「視知覚」「記憶思考」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android